https://www.nikkei.com/article/DGXLASQ2INYPC_V20C19A9000000/

NY商品、原油が反落 トランプ大統領の中国批判を警戒 金は3日続伸
2019年9月25日 5:12



【NQNニューヨーク=戸部実華】24日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比1.35ドル安の1バレル57.29ドルで取引を終えた。トランプ米大統領が24日、国連演説で中国の貿易障壁や為替操作などを批判した。米中対立が強まり、世界景気の悪材料になるとみた売りが出た。

トランプ大統領は演説で中国を厳しく批判した上で、米中貿易交渉では「米国民に害のある取引は受け入れない」と強調した。朝方は中国による米国産大豆の買い入れを好感して上げていた米ダウ工業株30種平均も下げに転じ、同じリスク資産である原油先物に売りが波及した面もあった。

野党・民主党がトランプ大統領の弾劾に向けた調査を始めるとの報道も重荷だった。同大統領が、民主党のバイデン前副大統領の息子に関する調査に協力するようウクライナに圧力をかけた疑惑が取り沙汰されている。

景気減速を懸念した売りも続いた。米調査会社コンファレンス・ボードが24日発表した9月の米消費者信頼感指数は、125.1と前月から9.1ポイント低下し市場予想も下回った。23日発表の9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)は6年3カ月ぶりの低水準にとどまり、景況感悪化を示す統計が米欧で相次いだ。

ニューヨーク金先物相場は3日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比8.7ドル高の1トロイオンス1540.2ドルで取引を終えた。トランプ大統領の国連総会での演説や、大統領弾劾を巡る不透明感を受け、投資家が運用リスクを回避する動きを強めた。リスク回避の際に買われやすい金先物に資金が向かった。