東電の隠蔽ぶりを暴く!【緊急対談】古賀茂明×元東京電力原発炉心技術者・木村俊雄「原発は津波の前に壊れていた」9月27日(金)14時30分

元東電の原発炉心技術者である木村俊雄氏が『文藝春秋』9月号にて発表したあるリポートが話題を呼んでいる。それは、「3・11の福島第一原発1号機が壊れたのは津波の前だった」という衝撃的なものだった。


■「東電はアホだ」
古賀茂明(以下、古賀) 『文藝春秋』9月号に掲載された木村さんの記事を読みました。福島第一原発事故が津波でなく、その前の地震によって起こされた可能性があると指摘する内容で、とても大切な記事だと感じました。世間の関心も高くて、「この記事は重要だ」とツイッターでつぶやくと、あっという間にリツイートが8000件、「いいね」にいたっては1万件を超えたほどでした。


木村 福島第一原発で起きたメルトダウンのような重大事故を検証するには、炉心の状態を示すデータの評価が不可欠。特に、炉心の中の水の流れを示す「炉心流量データ」は重要です。

ところが、「国会事故調」「政府事故調」「民間事故調」「東電事故調」と、福島第一原発事故を調査する委員会は4つもあるのに、どの事故調も炉心流量データに基づいた検証を行なっていない。おかしいでしょ?

それで調べてみたら、東電がそのデータをひた隠しにし、4つの事故調にも一切正式に開示していないことに気づいたんです。これではどの事故調も炉心流量データの検証ができなかったのは当然です。

そこで2013年7月に記者会見を開き、東電にデータ開示を迫ったんですが、「すべてのデータを開示した」の一点張りでまったく対応しようとしない。

古賀 ただ、その後、データを手に入れたんですよね。どうやって入手したんですか?

木村 東電の原発部門はアホ。あれほど未開示データの存在を否定していたのに、当時の廣瀬直己社長(現副会長)が汚染水問題への対応で記者会見に出るようになり、記者からの未開示データがあるのでは?という指摘に「すべてのデータを開示する」と答えると、あっさりと炉心流量データを出してきたんです。

古賀 廣瀬さんは新社長になったばかりで、データの持つ意味や東電の原発部門がデータを必死になって隠していたことを知らなかったのかな?

木村 きっとそう。オレ、東電の「炉心屋」だから原発部門のやつらのやり方とか性癖とか、悲しいかな全部わかっちゃうんですよ。炉心流量データも、何か理由があって隠蔽しているんだと、すぐにピンときました。

古賀 炉心流量データをチェックして何がわかった?

木村 驚きました。データを基に事故後の1号機のプラント挙動解析評価をしたところ、地震発生までは炉心の中に毎時1万8000tもの冷却水が流れていたのに、1分30秒後にはその流量がゼロになっていたんです。炉心には冷却水を送り出すためのジェットポンプが20台も設置されているんですが、その20台すべてがゼロ付近の値を示していました。

古賀 つまり、津波の前に1号機は壊れていた可能性が高いと。



■事故原因が不明のまま再稼働する危うさ
3・11の原発事故から8年、安倍政権は原発の再稼働へと突き進み、すでに玄海(佐賀県)、川内(せんだい/鹿児島県)、大飯(おおい)、高浜(どちらも福井県)、伊方(愛媛県)など、5原発計9基が稼働するまでになっている。こうした状況に木村氏は「炉心屋」として警鐘を鳴らす。
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https://news.biglobe.ne.jp/trend/0927/spl_190927_8767640646.html
古賀茂明氏(左)と元東京電力原発炉心技術者・木村俊雄氏が、今も続く東電の隠蔽ぶりを暴く!
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