0001しじみ ★
2019/09/30(月) 11:49:32.62ID:j3ZKWSYk9ブラジル・アマゾン盆地(Amazon Basin)に生息するデンキウナギはこれまで1種しか存在しないと考えられていたが、実は3種存在することが、DNA調査で明らかになった。うち1種の電圧はこれまで確認されていた最高電圧を上回るという。
ブラジル、スリナム、ガイアナなどにまたがる「大アマゾン」として知られる地域には、1種類のデンキウナギしか存在しないとこれまで数百年の間、考えられていた。
だが、米スミソニアン自然史博物館(Smithsonian National Museum of Natural History)の動物学者、C・ダビド・デ・サンタナ(C.David de Santana)氏が率いる研究チームは、南米大陸の辺境の地に生息する野生生物の分布地図を作成するプロジェクトの一環で、この通説を検証することにした。
当初、アマゾン盆地の異なる地域から採集された個体に、視認できる違いはほとんど認められなかった。だが、研究チームが採集した標本107体のDNAなどの分析を進めた結果、これまで知られていたエレクトロフォラス・エレクトリクス種に加え、エレクトロフォラス・ボルタイ種、エレクトロフォラス・バリイ種という2種も存在することが明らかになった。
研究チームらは、3種のデンキウナギが数百万年前に共通の祖先から進化したと推論している。
また、3種のデンキウナギの生息域が明確に分かれていることも明らかになった。エレクトリクス種はギアナ盾状地(Guiana Shield)、ボルタイ種はその南に位置するブラジル盾状地(Brazilian Shield)、バリイ種は川の流れが遅い低地のアマゾン盆地の水域にそれぞれ生息している。
■「最強」の種
3種のうちボルタイ種は、従来知られていた650ボルトをはるかに上回る860ボルトの電圧を発することも分かった。ボルタイ種は電気を起こす生物として「最強」だという。ボルタイ種の発する電圧が強力なのは、導電率が低い高地水域での生活に適応しているためという可能性があると、研究チームは指摘している。
デンキウナギはウナギとは別種の魚で、その発電の仕組みは電池の設計にも影響を与えた。
デンキウナギは、狩り、自己防衛、進行方向の決定などさまざまな目的に電気を用いている。三つの特殊な発電器官があり、目的に応じて電圧の強さを変えることができるという。
だが、今回の新種発見により、種によって多様な環境に適した異なる発電方法を進化させてきた可能性が出てきた。デ・サンタナ氏は今後、3種類のデンキウナギのゲノム(全遺伝情報)を比較したいと考えている。
研究チームは、今回の発見は、いまだにその大半が科学的に未解明なアマゾン熱帯雨林の多様性を示す証拠であり、森林破壊、森林伐採、森林火災などにより危険にさらされている動植物の生息環境保護が極めて重要であることを浮き彫りにしたと指摘している。
サンタナ氏は、「この50年間アマゾン熱帯雨林はさまざまな人的影響を受けてきたが、新種デンキウナギ2種のような巨大魚が発見される可能性がまだ残されている」と指摘した。
研究結果は10日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された。(c)AFP
https://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/3/b/-/img_3b15b8cb960dbfa67b3f984ff07756d0126532.jpg
https://www.afpbb.com/articles/-/3243964