2019.10.7 05:56

日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)と経団連は4日、デジタル技術で社会課題を解決する未来の想像社会「ソサエティ5.0の実現とモビリティ・ネットワーク」と題するシンポジウムを茨城県つくば市で開催し、次世代移動サービス「MaaS(マース)」を街づくりと連携させて実現する課題などを議論した。

 マースは、目的地までの最適ルートを割り出し、電車やバス、タクシーなどの交通手段をスマートフォンアプリで予約も支払いもできるサービス。渋滞緩和による環境対策効果に加え、人口減少で維持できない地方の公共交通機関の代替や高齢者の移動手段にも期待される。

 会議では、トヨタ自動車未来創生センターから6月に内閣府の官房審議官に転じた高原勇氏が「マースは、スマートシティに重要な役割を果たし、地域格差の解消に貢献する」と強調。政府として、普及のカギを握るデータ利活用に向けた社会原則を策定する方針を明らかにした。
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/191007/mca1910070500004-n1.htm

■そもそもMaaSとは?

MaaSは一般的に「あらゆる交通手段を統合し、ワンストップで予約・決済・利用できるようにする概念」を指す。電車やバス、タクシー、シェアサイクル、飛行機、船など、あらゆる移動サービスの予約や決済が一つのプラットフォーム、つまり一つのアプリ上で可能になるイメージだ。

MaaSはサービスの統合具合に応じてレベル分けされており、レベル0が統合なし、レベル1が「情報の統合」で、利用者には料金や時間、距離など各移動主体に関するさまざまな情報が同一プラットフォーム上で提供される。乗換案内サービスの「ジョルダン」などがこれに相当する。

レベル2は「予約、決済の統合」で、同一プラットフォーム上で複数の交通機関の交通案内から発券や予約、支払いまでを行うことが可能になる。レベル3は「サービス提供の統合」で、各交通機関が個別に設定していた料金体系などがプラットフォーム上で統合され、一つの運営主体が各移動サービスを提供しているかのようなイメージで利用者がサービスを受けることができるようになる。

レベル4は「政策の統合」で、国や自治体、事業者が、都市計画や政策レベルで交通の在り方について協調していく。国家プロジェクトのような形で推進される最終形態といえるだろう。
https://jidounten-lab.com/u_maas-live-ranking