10日夜発表されたノーベル文学賞の受賞者は、神戸・阪神間にゆかりの深い作家、村上春樹さん(70)ではなかった。母校・神戸高校(神戸市灘区)などでは
同窓生らが落胆しつつも、来年に期待を込めた。

 神戸高には卒業生や在校生ら約20人が集まり、受賞を逃したと分かると一様に肩を落とした。

 「村上作品はリズムが良く、最後にストーリーがどんどん展開して引き込まれる」という新聞委員会副部長の2年生(17)は「来年もここで発表を待ちたい」と話した。
同校の世良田重人校長も「長年第一線で活躍されており、必ずいつかは、と信じている」と語った。

 村上さんが通った芦屋市立精道中学校でも、同級生らがため息。1年時のクラスメートで、3年で同じ部活動「理科1部(化学部)」だった男性(70)=
芦屋市大桝町=は「彼はノーベル賞が取れなくても偉大。残念だが、これでまた1年期待が持てる」と苦笑いで話した。

 村上作品に登場する神戸市中央区のイタリア料理店「ピノッキオ」には、受賞を待ちわびるファンが集った。20代からの愛好家という同市東灘区の女性(64)は
「2年分の発表で今年こそと思っていた。むちゃくちゃショック。でもファンで集まり待つのは好きなので、受賞は来年の楽しみにします」と話した。
(堀井正純、初鹿野俊、金井恒幸、堀内達成)

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