参考画像
https://i.imgur.com/BPRBZ8U.jpg

長い目でみると「武蔵小杉」よりも「大井町」に期待できるワケ

2019.10.15

不動産投資において「今後の発展を見極める力」は何よりも大切です。まずは、普段何気なく通り過ぎてしまう町の魅力を知ってみましょう。「地域密着」型不動産のエキスパートである、株式会社小出不動産・徳島雅治氏の書籍『小さな不動産会社の一人勝ち戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋して解説します。

これからはホテル区分所有も狙い目!「フィリピン不動産投資」パーフェクトガイド2019-2020/10月19日(土)セミナー開催

なんだかパッとしない土地柄の「大井町」だが…

私の会社のある大井町は、品川と川崎の間にあり、京浜東北線一本で東京につながる便利な場所です。ところが、どうも地味な土地柄で、エアポケットに落ちたように昔からなぜかあまり人気のある町ではありませんでした。

海岸側には競馬場や競艇場、工場や倉庫のエリアなどがあり、必ずしも環境が良いとはいえない雰囲気があったかもしれませんが、反対の山側は落ち着いた閑静な住宅街が広がり、代々大井町に住まいを構えるお宅もたくさんあります。ただ、そのような落ち着いた雰囲気が逆に人口の流動を滞らせてきたともいえます。住民はほぼ固定化し、新しく入ってくる人たちはあまり多くないため、大井町住民の年齢層は次第に高くなっていました。

しかし昨今、もともと人気だった二子玉川が再開発され、また東急大井町線と交差する東急目黒線沿線の武蔵小杉に高層マンションが立ち並び、人口の流入が激しく土地の価格が急騰、ターミナルとなる東急大井町線の存在が脚光を浴びるようになりました。

さらに埼京線が大崎まで延びてりんかい線と連絡し、東京テレポートやお台場方面へのアクセスがよくなりました。海側に向かって坂を下れば羽田空港に直接乗り入れる京浜急行の駅があるため、国内外へのアクセスも以前よりはるかに便利になりました。そのためか、大井町駅前の大井開発が運営する1460室を擁する「アワーズイン阪急」はほぼ常に満室状態と聞きます。

更に、駅に隣接していたJRの社宅がすでに取り壊されていますが、JR東日本の大井工場を含めた約8万7000坪の土地が大井町駅前再開発計画として、品川区の中心となるようなスケールで検討されています。

これらが再開発されて観光客向けの総合施設が建設されれば、ターミナル駅としての大井町一帯の土地のバリューがより上がることは予測できます。加えて東京オリンピックを控えているため、町の活性化にはかなりの期待が持てます。

こうした背景があるうえ、東急東横線、東急田園都市線沿線などの都市開発で成功を収めている東急がまださほど手を付けていない最後のエリア、それが東急大井町線沿線です。

中略

こうした急行の停車駅周辺は、不動産仲介の見地では流動性が高く、注目すべき一帯です。ただ、必ずしも都市の再開発が良いことばかりではないというケースがあります。その例として、最近急激に人気が高まった武蔵小杉を取り上げてみましょう。

武蔵小杉一帯は、かつて工場が集まっていたエリアでしたが、それらが閉鎖され、跡地を再開発するために行政が規制緩和を行い、高層マンションが建設されるようになって現在に至るという経緯があります。

高層マンションは人気が高く、膨大な数の家庭を抱え込みますから、新規住民があっという間に増加し、武蔵小杉のある川崎市中原区は同市内でもっとも人口の多い区となっています。ただ、高層マンション群がそそり立ち、人口が増えると、想定外の新たな問題が出てきます。

たとえば、古い昔ながらの住民と新規住民との交流が、必ずしもうまくいっているとはいえない状況にあると聞きます。また人口が増えすぎて、朝のラッシュ時に武蔵小杉駅にはキャパシティーを超える乗客が集まり、駅の改札を通過するために外まで行列ができるようになったり、強いビル風に悩まされたりしている点、さらには学校や幼稚園、保育園の不足などが問題視されています。

マンション建設はそれぞれの建設会社の案件ですが、そのビルが属する地域を俯瞰した都市開発がなされていたかどうかとなると、若干怪しいところです。武蔵小杉は、立地的に便利な地域が、便利すぎるゆえにむしろ不便になったという典型例だといえるでしょう。

この武蔵小杉は特殊な例ではありますが、特急停車駅は利便性の点から人気が高く、それに伴って地価や家賃が高騰している人気エリアだということは間違いありません。

続きはソースで
https://gentosha-go.com/articles/-/23499