厚生労働省が1日に発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント低下し、1.57倍だった。全体では堅調な雇用情勢が続くものの、米中貿易戦争の影響を受けた製造業などで陰りが出ている。総務省が同日発表した9月の完全失業率(同)は前月比0.2ポイント上昇し2.4%となった。新たに職探しをする人が増え6カ月ぶりに悪化した。

有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。正社員の有効求人倍率は0.01ポイント低下の1.13倍、雇用の先行指標となる新規求人倍率は0.17ポイント低下の2.28倍で、前月より悪化した。

新規求人数は前年同月比1.5%減の91万7174人だった。産業別でみると製造業が前年同月比11%減と、8カ月連続で減少した。サービス業や卸売・小売業なども減少が続いた。

完全失業者数は同6万人増の168万人だった。新規の求職者が5万人増えた。就業者数は53万人増の6768万人。ただ、正社員が9万人減の3481万人と2カ月連続で減少した。インターネット直販の浸透などで卸売・小売業の販売が落ち込んでおり、正社員が27万人減った影響が大きい。

2019/11/1 9:05 (2019/11/1 9:31更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51672520R01C19A1MM0000/