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こうして千曲川は決壊した 決壊場所から離れても4mの浸水に
2019年11月2日 20時20分

台風19号による豪雨で各地で発生した河川の氾濫で、堤防が「決壊」してからの避難は、命の危険に直結することを示すシミュレーション結果が出ました。長野県の千曲川では、氾濫のあとの堤防の「決壊」で一気に浸水が広がり、決壊場所から2キロほど離れた地域でも深さが最大で4メートルに達していました。

河川氾濫のメカニズムに詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、「氾濫」や「決壊」に至るこれまでの情報や現地での調査、住民への聞き取りなどをもとに、当時の浸水の広がりや深さをシミュレーションしました。

それによりますと、午前1時ごろ、千曲川の長野市穂保で水が堤防を越える「越水」による氾濫が発生すると、堤防に近い地域で浸水が始まります。

2時間ほどたった午前3時ごろには、堤防の南北約1キロもの範囲で「越水」による氾濫が発生。西側に1キロほど離れた国道117号線にかけての一帯で浸水の深さは最大1メートルほどに達します。

そして午前4時ごろ、堤防が「決壊」すると、浸水範囲が一気に広がり、1時間後の午前5時ごろには、浸水は国道を越えて北西にある新幹線の線路や車両基地に到達し、深さは最大で2メートル以上になりました。

さらに決壊から3時間後の午前7時ごろには、浸水の範囲は新幹線の線路を大きく越えて広がり、決壊した場所から2キロほど離れた地域で深さは最大で4メートルほどに達しました。

決壊から4時間後の午前8時ごろには浸水はほぼ止まりますが、最終的には950ヘクタールに及ぶ広い範囲が浸水しました。

二瓶教授によりますと、深さが2メートルを超えると、建物の中でも身動きが取れずに命を落とす人が増え、4メートルになると1階部分が完全に水につかってしまうということで、「決壊」してからの避難は極めて危険だとしています。

そのうえで二瓶教授は「決壊すると状況が一変し、水の量が桁違いに多くなる。水の勢いも格段に強くなることから、その段階の避難は命に関わる。そうなる前の早めの避難が何よりも重要だ」と話しています。

シミュレーションの詳細は
(リンク先に続きあり)