◆民間英語試験の導入を巡って文科相が炎上
文科省は2020年度から導入される大学入学共通テストで、英検やTOEFL、ケンブリッジ英検といった民間の資格・検定試験を活用する政策を打ち出し、2020〜23年度は「共通テスト」と民間試験の両方が用意され、各大学でいずれかまたは双方を利用できることになりました。

実際に2020年度から採用される民間英語試験は全部で7つ。もともとは民間試験大手のTOEICもここに入る予定でしたが、2019年7月に「責任を持って対応を進めることが困難と判断した」として不参加を決定しています。

既に萩生田文科相の「身の丈にあった勝負をすればいい」発言の炎上・謝罪で広く知られるようになりましたが、この民間英語試験の導入は各家庭の経済的な条件、地理的な条件によって公平性が保たれない事が大きな問題とされています。

ですがこの問題、実はそう簡単な話ではありません。一体どのような問題があるのか、知られていない実態を見ていきましょう。

◆評価方法も難易度も違う試験で成績を比較
そもそも論として、民間試験は成り立ちも傾向も難易度も評価方法も大きく違います。これらの試験の成績を一律評価することが極めて困難というのがまず大きな問題です。

成績は「CEFR」というヨーロッパ言語参照枠基準の6段階に当てはめて換算される仕組みとのことですが、この換算法自体にも科学的裏付けがないとして批判が起こっています。

◆高校教師やアルバイト、海外業者も採点?
加えて替え玉受験対策や試験問題の漏洩の防止、採点の正確性などが厳格に担保されるのかについても疑問の声が上がっています。

10月31日の衆院文部科学委員会では共産党の畑野議員が「(採点を)アルバイトとか海外の業者とかに委託するってことは、可能な制度なんでしょうか?」と質問。

萩生田文科相は「公表している各規準に則って、各団体の皆さんが採用するということであれば、採用形態については、そういう事も否定はできないと思います」と回答しました。

さらに自民党の馳元文科相は「公立高校の場所の提供や、採点者や監督者を含め、教職員の協力を仰ぐことが妥当ではないか」と指摘したところ、萩生田文科相は「希望してやって頂ける先生方は兼業ができるような仕組みをしっかり確保していきたい」と回答しています。

つまり、公正でなければならない大学入学共通テストの採点を、生徒の通う高校の教職員や責任の明確でないアルバイトや誰とも知らぬ海外の業者などが担うかもしれないということ。

進学率が自らの実績となる教職員が自校の生徒に有利な採点を行わない保証はありませんし、アルバイトや海外の業者が大学入試の採点を任せるに足るとは到底言えません。

◆受験は最大で2回まで
これらの民間英語試験を大学入学共通テスト向けに受験できるのは高校3年生(受験年度)の4月〜12月までの8ヶ月間のうち最大で2回まで。

文科省の「英語資格・検定試験に関する質疑応答集(Q&A)」によると、大学入学共通テストに必要な共通IDを記入して受験した民間英語試験の2回目までの成績が大学入試英語成績提供システムに自動的に登録されるとされています。

つまり「3回以上の民間試験を受験して、その中で最も良かった成績を選んで利用する」といった事はできません。

しかし大学入学共通テストに関係なく、単なる検定や資格試験としても受験できるため、あらかじめ何度か試験を受け、慣れてから本番に臨むことができます。

ただ、民間英語試験の試験会場は大きく限られており、「TOEFL iBT」の場合、試験を受けられるのは以下の都道府県。

北海道東北:北海道、秋田、宮城
関東甲信越:東京、神奈川、埼玉、千葉、栃木、群馬、 新潟、山梨
東海近畿北陸:静岡、愛知、石川、三重、京都、和歌山、奈良、大阪、兵庫
中国四国:広島、香川、高知
九州沖縄:福岡、宮崎、鹿児島、熊本、沖縄

来年から会場が増える可能性もあるものの、基本的に採算の取れる人口密集地でしか試験が実施されていません。

◆最大で5万円を超える受験料+必要経費
民間試験の受験料は1回5800円〜2万5380円となっており、決して安いものではありません。2回受験することを考えると最も安い英検3級でも11600円。最も高いTOEFL iBTでは約51000円になります。
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