統一はすぐそこ

日本の15都市でフリーハグを実施したユン・スヨン氏

「政治で国の関係は悪化したが、人間関係まで悪化してはならない」

対馬では1時間に40人以上とハグ

 韓日両国でネットに双方を罵倒する激しい書き込みが相次いだ2日午後2時30分、日本の対馬・厳原のショッピングモールでは赤い韓服に白いチョゴリを着た女性が「フリーハグ」と書かれた板を掲げた。近くにいた日本人女性が恥ずかしそうに笑いながら近づき、互いに抱き合ってから「ファイティング」と叫んで立ち去った。板には太極旗(韓国の国旗)と日章旗、その間にハートが描かれていた。この日は1時間に40人以上の日本人がこの女性とハグし合った。

 韓服を着たこの女性は韓国人のユン・スヨン氏(25)だ。ユン氏は先月19日から札幌をはじめ東京、京都、広島など15都市を回りながら「フリーハグ」を続けてきた。フリーハグとは「見返りなしに抱擁する・抱き合う」という意味で、知らない人と互いに抱き合いながらぬくもりを分け合うキャンペーンだ。ユン氏は4日の沖縄を最後に今回のフリーハグの日程を終える。

 ユン氏は4日に本紙の電話インタビューに応じ「日本と日本人に対する考えはいろいろあると思うが、今の『無条件悪い』と言わざるを得ない雰囲気は残念だ」「韓日関係が悪化しても、人間対人間と考えて会えば遠ざかった関係を回復するのに役立つだろう」と述べた。

 ユン氏のフリーハグは今回が初めてではない。最初は日本の静岡県に交換学生として行った2015年だった。その時までユン氏は日本について「わが国を侵略した国」という漠然とした反感があった。ユン氏は「実際に交換学生として日本に行き、そこで会った日本人は私たちと何も変わらない友人だった。この友人たちから受けた好意をもっと知ってもらいたい」と語る。その後、ユン氏はこれまで40回以上日本全国の都市を回りフリーハグを続けてきた。


 ユン氏は昨年、韓国で大学を卒業し、今は日本の大学院に進学する準備を進めている。ユン氏のフリーハグに必要な費用はこれまで全額を日本で賄った。今回のフリーハグ一周のため今年9月に日本のクラウドファンディング・サイトに説明を掲載したところ、わずか1カ月もしないうちに25万円が集まった。ユン氏のプロジェクトを応援する日本人がそれだけ多くいたのだ。

 各都市を訪問するスケジュールをSNS(会員制交流サイト)にアップすれば、現地の日本人がサポートに乗り出した。彼らはユン氏のキャンペーンで撮影などを支援し、道案内も買って出たのだ。ユン氏は「韓日関係に対する考え方が違っていた人とも、イベントが終わった後は同じ食堂で食事をしながら互いに意見を交換し合った」と語ってくれた。

 もちろん良いことばかりではない。昨年9月に福岡でフリーハグを行っていたところ、マスクで顔を隠した男性が近づき「韓国に帰れ」と罵倒された。プロジェクト中にこんなことを言われるのは初めてだった。しかし近くにいたサポーターたちなど10人以上が駆け寄り、ショックを受けたユン氏を慰めた。ユン氏は「フリーハグをしていると泣きながらハグしてくれる日本人も多い」「政治問題で韓国人と日本人の関係まで悪くなっていることを残念に思う人は多い。日本と日本人は別だ」と語る。悪化した関係を反映するかのように、最近はユン氏のSNSには日本人からも韓国人からも悪意のあるコメントが増えたという。

 しかしユン氏のプロジェクトは日本でも大きな関心を集めている。日本のNHKは今回のプロジェクト期間中、最初から最後まで同行取材し、ユン氏のドキュメンタリー番組を準備している。東京大学は15日「韓日民間交流」をテーマにユン氏に講演を依頼している。

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ご尊顔
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