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豚コレラ(CSF)ワクチン接種済豚肉は、本当に安全なのか?
Filed under: 未分類 ― admin @ 11:37 PM
昨日、2019年10月25日から、懸案の豚コレラワクチン接種が、接種推奨県11県の一部から始まった。

接種開始にあたり、農林水産大臣は「消費者の方々にお伝えさせていただきたいことはですね、我が国は1969年から2006年までの37年間、豚コレラワクチンを接種しておりました。その間、人に健康被害が出たという報告は一切ございません。接種した豚の肉が市場に流通することになりますが、全く心配はございませんので、消費者の皆様におかれましては、是非、美味しい豚肉を安心して御購買いただき、食べていただきたい。」と述べた。

果たしてそうなのだろうか?



ワクチン接種肉の安全性についてのEUやイギリスでのこれまでの議論



豚コレラワクチンに限らず、口蹄疫などのワクチンをも含めて、ワクチン接種肉の安全性については、EUで、長いこと議論があった。

そもそもの始まりは、日本が豚コレラワクチン接種をやめた一年前の2005年に、イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)がEFRC(The European Forum for Reciprocating Compressors)に対して行ったコンサルテーションにある。

EFRCは、EUを中心にして、そこで働くヨーロッパのユーザー、メーカー、科学者を支援する非営利団体として1999年6月に設立された組織である。

このEFRCに対して、イギリス環境・食糧・農村地域省は、2005年6月、「コンサルテーション・コール」として、次の問題提起を行った。

「口蹄疫ワクチン接種後の防疫ゾーンまたはサーベイランスゾーンにある肉は、熱処理も含めて、特別扱いにしなければならない。ワクチン接種後の肉は、骨抜き肉とし、OIEルールと一致させて、イギリスが清浄国ステータスを回復するまで、熟成させなければならない。

ワクチン接種肉から派生する肉製品についても、規制を図らなければならない。」

これらのイギリス環境・食糧・農村地域省の問題提起は、口蹄疫のワクチン接種肉についてのものだったが、他の豚コレラワクチン接種肉等についても、同じ趣旨の指摘が及ぶものであった。

また、EUの口蹄疫に関する指令である2003年9月29日発令の「Council Directive 2003/85/EC 」 との整合性をDEFRAがEFRCに問うものでもあった。

参考

「EXPLANATORY MEMORANDUM TO THE FOOT-AND-MOUTH DISEASE (ENGLAND) ORDER 2006 No. 182
THE FOOT-AND-MOUTH DISEASE (CONTROL OF VACCINATION)
(ENGLAND) REGULATIONS 2006 No. 183 」

「Discussion paper – EFRC response to DEFRA consultation on detailed FMD control legislation」

「Foot and Mouth Disease Control Strategy for Great Britain」

このイギリス環境・食糧・農村地域省のコンサルテーション・コールは、その後、多くの議論を呼ぶことになった。

詳細は下記の「Warmwell.com」で論議の過程を見ることができる。

参考

「Warmwell.comでの論議」(August 26 2005 ~ NFU Wales warns against vaccination in its response to the FMD consultation.)

「Warmwell.comでの論議」(October 21 2005 ~)



国によってのワクチン接種肉の安全性に対するスタンスの違い
(リンク先に続きあり)