https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50298844


【ジャパン2020】 日本と北欧デザインの融合、世界に広まる「ジャパンディ」
2019/11/18

クレア・ダウディー


清潔、静謐(せいひつ)、調和――。和風とスカンディ(北欧風)を混ぜ合わせた「ジャパンディ」デザインが広まりつつある。地球の反対側にある2つの地域に、一体どんな共通点があったのだろうか。

日本とスカンジナビア地方は8000キロ離れているが、少なくともデザインの領域では数々の共通点がある。どちらも素朴な機能性を重視し、自然素材を愛し、職人への深い尊敬の念に支えられている。

近年、両地域の共通点が「ジャパンディ」や「ジャパニーズ・ミニマリズム」として確立されつつある。ジャパンディの家具や食器、インテリアには、すっきりとした線、中間色、そして自然の風合いといった特徴がある。
インテリア・ジャーナリストのケイト・ワトソン=スマイス氏は、「ジャパンディでは日本のスタイルと北欧のスタイルが非常にしっかりと融合しており、それがうまく働いている」と説明する。

共通する美学

セレクトショップ「Heal's」の主任バイヤーを務めるクリス・マナロ氏は、ジャパンディのトレンドを「北欧スタイルの特徴である『hygge(フーガ、家庭的な居心地の良さを指すスウェーデン語)』と日本の『侘び寂び』が融合し、ストレスのない雰囲気を作り出している」と定義する。ジャパンディのインテリアは「私たちがほっと一息つけるような清潔で静かな環境を作ってくれる」ので、忙しい現代のライフスタイルに合っているという。

多くのデザイナーにとって、共通する美学と職人技こそがジャパンディの中核だ。デンマークのデザイナー、ニーナ・トルストープ氏は、「日本と北欧、2つの地域につながりがあると感じる」と話す。トルストープさんは1950年代にまでさかのぼり、北欧のモダニズムをけん引した巨匠たちと、日系アメリカ人のインテリアデザイナー、イサム・ノグチ氏や、日本の工業デザイナー剣持勇氏に共通点があることを見いだした。


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