河村市長「不自由展、内容隠された」 外国特派員協会で会見



 名古屋市の河村たかし市長は10日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を批判する姿勢を説明し「展示内容が(開幕前に)市に隠されていた。うその申し込みに表現の自由はあるのか」と主張した。

 参加した外国メディアの記者4人からは質問は出なかったが、トリエンナーレの芸術監督を務めた津田大介さんがジャーナリストとして出席。会見終了後「市長の主張は誤り」「隠そうとした意図はない」と反論した。

 河村氏は、昭和天皇の肖像をコラージュした版画をバーナーで燃やす場面を含む映像作品について「ハラスメント」と批判。芸術祭が市や愛知県の主催だったことに触れ、「公務員には審査をする義務がある」と訴えた。

 これに対し、津田氏は会見後の報道陣の取材に「愛知県や名古屋市の担当者と情報共有できていなかったのは事実」と認めながら「虚偽ではない」と述べた。市が設置した検証委員会に出席して、直接説明する意欲を示した。

 河村氏は、自身の要請後に不自由展が一時中止となったことで「表現の自由を侵害した、と海外で報じられた誤解を解きたい」として会見に臨んだ。

2019年12月10日 23時06分 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019121090230634.html