米航空宇宙局(NASA)は13日、無人探査機ジュノーが木星の南極付近に接近した際にとらえた巨大なサイクロンの画像を公開した。サイクロンは中心のひとつを取り囲むように、6つの渦が六角形を描き、その風速は平均時速360キロを上回るという。

 太陽系最大の木星は、岩石や金属でできた地球や火星とは異なり、水素やヘリウムなどの大気でできたガス惑星だ。私たちがイメージする木星は、赤道方向に平行に伸びる縞模様の大気の層で渦巻く大赤斑だが、地球からは見えない北極と南極にはまったく異なる表情を見せている。
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■2度目のサイクロン遭遇

 NASAの無人探査機ジュノーは、22回目のフライバイ(近傍通過)を実施した先月3日、木星の南極上空3500キロまで接近して、赤外線カメラで巨大サイクロンの撮影に成功した。

 ジュノーがサイクロンを発見したのは、2016年7月に木星上空に到着して以来2度目で、前回(2017年2月)には南極に6つ、北極に9つのサイクロンの撮影を行っている。
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■五角形から六角形へ

NASAの研究チームによると、中心で渦巻く1個のサイクロンは、アメリカの国土面積に相当し、最小のものでも全米2位の広さのテキサス州(約70万平方km)を飲み込む大きさだという。

 赤外線カメラでとらえた画像は、マグマが煮えたぎる地獄絵図のようだが、可視光画像の場合は青黒い渦に変わる。ローマ国立天体物理学研究所のアレッサンドロ・ムーラ研究院によると、サイクロンの数は、当初は五角形だったが、観測を続けるうちに新たなサイクロンが誕生して、六角形の安定した形を形成したという。
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https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/2/32394.html