ドイツのメルケル首相は新年を迎えるにあたっての国民向けの演説で、「子や孫の世代のため、気候変動の問題に全力で取り組みたい」と述べた。ドイツでは最近、温室効果ガス削減のための新たな対策が国会で承認されたところで、メルケル氏は改めて国民に理解と協力を求めた。演説内容は12月31日、公表された。

 メルケル氏は、ドイツが東西統一後30年で多くを成し遂げてきたとしたうえで、2020年代の次の10年は「再考する勇気、なじみある道を離れる強さ、新しいことを試す意欲、より速く行動する決意が必要だ」と述べた。課題の例として地球温暖化を挙げ、人類の脅威になっているとした。

 メルケル氏は12月に上下両院に承認された政府の総合的な気候変動対策に触れ、「不十分だとか、過大だとか、人々が不安に感じていることは承知している」と述べた。

 そのうえで、政治が気候変動問題に対処できないことによる悪影響を受けるのは65歳となった自身の年代ではなく、「子どもや孫たちだ」と指摘。承認された施策は「危機対応への必要な枠組みだ」と述べた。

 総合的な対策の中では、例えば…

2019年12月31日09時32分 朝日新聞
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