0001首都圏の虎 ★
2020/01/03(金) 14:24:39.50ID:REkh7Rol9.
『水害列島』の著書があるリバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏は、その理由をこう話す。
「海水の温度が27度を超えると、台風は勢力を弱めずに移動できるようになるとされています。いま、日本全体が温暖化のために亜熱帯化しているので、東日本の海水温度も上昇していると思われます。そのため、台風15号、19号のように、九州や四国を外れて東海や関東に上陸する台風は今後も増えるでしょう」
水害が増えているのは、地球の変化だけではない。日本国内で危険な地域に住む人が増えていることも影響している。
「山梨大学の秦康範准教授の研究によると、1995年から2015年の20年間で、浸水想定区域内の人口が約150万人増えて約3500万人になっています。人口減少時代に入っているのに、人々は水害リスクの高いエリアに移り住んでいるのです」(土屋氏)
現在の日本は、都市部に人口が集中する傾向にある。これまで未利用だった土地に新しく住居やビルが建つことも多く、そこが水害に弱い地域であることもある。堤防や下水管などのハード面の強化が不可欠だが、対策は遅れているという。
「東京のような都市部では『内水氾濫』と『地震洪水』の危険性があります。内水氾濫は、大雨によって排水管や下水管の処理能力を超えて水があふれることで、地下街や地下鉄に水が大量に流入します。地震洪水では、激しい揺れによって堤防が破壊され、ゼロメートル地帯以下のエリアに海水が逆流する。堤防が破壊されると海水の流入を防ぐことは難しく、地震洪水は台風以上の被害を出すと予想されています」(土屋氏)
ただ、いつ、どこで発生するかわからない地震に比べ、水害は天気予報の精度が高まっているので予想しやすい。事前にインフラを整え、大雨時には早めに避難すれば、被害の拡大は防ぐことができる。にもかかわらず、豪雨災害が増えているのはなぜか。
この点について、毎日新聞が興味深い記事(昨年12月17日付)を掲載している。記事によると、台風19号で死者10人、行方不明者1人を出した宮城県丸森町では、山に生えている木を広範囲にわたってすべて伐採する「大規模皆伐」が行われていた。皆伐された山からは、幅数十メートル、長さ100メートル以上の土砂崩れが発生していたという。皆伐されていない周囲の山は、土砂崩れがおきていなかった。
実は、安倍政権では「林業の成長産業化」を旗印に、戦後に植林したスギやヒノキの伐採を奨励している。これが、専門家の間で「豪雨時の土砂崩れを誘発している」との指摘が出ている。水ジャーナリストの橋本淳司氏は言う。
「健全な森林が育んだ土はフカフカで、水や空気を吸収します。しかし、皆伐された森林では地表がむき出しになってカラカラに乾いてしまいます。雨が降れば、コンクリートの上を流れるように水を低い場所に流すだけ。谷となっている所など一部の場所に水が集中して勢いを増し、土砂崩れを引き起こします」
安倍政権は、災害に強い国づくりを目指す「国土強靭化」を政策に掲げているが、環境に配慮しない無計画の皆伐は「国土弱体化」を招く。橋本氏は続ける。
「少量の雨でも、皆伐された山からは少しずつ土壌が削り取られていきます。その土がダムの底に大量にたまれば、公表されている貯水可能量が貯められなくなる。川に流れたら河床を引き上げ、氾濫しやすくなる。いくら堤防を高くしてダムをたくさん作っても、大雨の前に土が大量に流れ込んでしまえば意味はありません」
安倍政権では、植林から51年以上経ったスギやヒノキについて「主伐期を迎えた」として、伐採量を増やす政策を推進している。17年に36.2%だった木材自給率を、25年までに50%に引き上げることを目標にしているためだ。18年に森林経営管理法、19年に国有林野管理経営法が改正され、大規模に木を伐採できる法律の成立も相次いでいる。また、林野庁は、短時間で大量の木を伐採できる「高性能林業機械」の導入などを推進していて、20年度は概算決定額で約129億円の予算が付いた。さらに森林環境税の導入で、林業関連の予算はさらに増える見込みだ。ところが、高性能林業機械は機械の大きさに合わせて幅の広い林道を必要とするため、急斜面に大きな林道をつけて、そこから土砂崩れが起きるケースが相次いでいる。
全文はソース元で
1/3(金) 11:30配信
アエラドット
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