土日の政治 

シュナイダー在日米軍司令官のインタビュー要旨は次の通り。

【日米安全保障条約60年】

 日米同盟の協力関係は現在、非常に強固だ。非常に満足している。ただ、我々にはまだ成長し、進化できる部分がある。この10年の法制面の進展は、極めて有益だ。安全保障関連法により、我々はより効率的そして一体的になることができる。この地域で我々が数十年にわたり享受している安全、平和、安定は、我々の同盟の強固な関係によって成し遂げられた。この関係は今後もより強固になっていくだろう。

 【一体化】

 我々が直面する安全保障上の挑戦は日々、増大し続けている。私は私のチームに対し、潜在的な脅威、問題が急速に顕在化する限り、現状維持でいることはもはや許されないと強調している。自衛隊と米軍双方が進化を続けなければならない。最新鋭のテクノロジーを持った装備品の調達により、自衛隊と米軍の能力はより効率的、一体的になる。戦闘システムをリンクでつなぐ共同交戦能力(CEC)によって、危機の際に情報を共有でき、相互の意思決定の時間を短縮し、そしてそれに基づいて行動できる。

 【北朝鮮】

 最も差し迫った安全保障上の挑戦は北朝鮮だ。北朝鮮はこの数か月間、(軍事)態勢とレトリックを変化させている。日米は、挑発行為の再開に備え、即応態勢をとっている。2017年には金体制が弾道ミサイル開発と実験を繰り返した。それが再開されるかもしれない。

 【中国の挑戦】

 長期的にみて日米両国にとって、そしてこの地域、世界にとっても、最も大きな挑戦は中国によって引き起こされるものだ。中国は、第1列島線の内側だけでなく、第2列島線までにおいても支配的な勢力になろうとしている。究極的には、米国を追い払い、インド太平洋における米国の同盟関係をなきものにしようとしている。世界の舞台で支配的国家となるためだ。我々は中国を封じ込めようと考えているわけではないが、中国の悪意ある行動が法の支配に基づく国際秩序を害する分野では、異議を唱え、それらに対処しなければならない。

 中国の軍拡はあらゆる部隊において見られる。彼らは、とてつもない数の中距離弾道ミサイルを保有している。極超音速(兵器)で先行し、世界を置き去りにしている。サイバーの領域でも非常に積極的で、民間人やビジネスをターゲットにしたものと、軍事的な活動との間にほとんど区別はない。宇宙分野でも信じられないぐらい積極的で、多数の人工衛星を毎年、軌道に投入している。

 問題は、彼らがなぜ、どんな必要性からこれほどの軍拡をしているのかだ。中国に対する脅威、挑戦がどこにあるというのか。中国の軍拡は攻撃的な能力を得ようとするものだ。同時に、影響力を行使し、戦力を展開し、法の支配に基づく国際秩序の書き換えを可能にするためのものでもある。

 【自衛隊の南シナ海派遣】

 非常にいいことだ。北京は習近平主席が2015年にホワイトハウスで南シナ海を軍事化しないと述べたにもかかわらず、南シナ海を軍事化した。南シナ海における国際的なパートナーたちのいかなる活動も、法の支配に基づく国際秩序を書き換えるという中国の試みに異議を唱えることに大いに役立つ。

 【台湾】

 我々は現在の台湾と中国の現状を覆すいかなる一方的な行動にも反対する。北京が現状を変更または覆そうと積極的に動いていることは明らかだ。彼らは軍事的なやり方だけでなく、情報空間、サイバー活動、そして台湾を国際社会でさらに孤立させるため台湾との外交関係を断絶させようという外交戦を展開している。

 【尖閣諸島問題】

 我々は自衛隊と緊密に連携しながら、毎月複数回にわたる中国部隊の尖閣諸島への領海侵入を監視している。こうした活動は本質的に攻撃的ではないが、日本の施政権を弱めまたはそれに異を唱え、そして中国が施政権を持っているのだと世界や地域に強調しようというのが中国側の思惑だろう。我々はこうした試みを注視し続け、情報提供によって自衛隊を引き続きサポートしていく。

 【ミサイル防衛】

 中国のロケット、ミサイル能力について懸念しているかと聞かれれば、イエスだ。特に中国が毎年製造し、配備しているミサイルの数について懸念している。日米に迎撃能力があるかという質問には、イエスと答える。ただ、日米は(迎撃ミサイルの)能力向上であれ、戦術、技術、手順であれ、急速に増大している脅威に対処できるようにするため、我々のシステムを進化させ続けなければならない。中国が持っている今の規模と範囲

全文はソース元で
2020/01/19 11:15
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200118-OYT1T50324/