0001首都圏の虎 ★
2020/01/23(木) 11:36:34.45ID:av6leALQ9容疑者を「マルセル・H」と報じる、独「Build」(ウェブサイトより)
筆者が住むイギリスでは実名報道が常態化しているが、ドイツやスウェーデンのメディアは限定化された実名報道、あるいは匿名報道を選択している。3カ国の編集規定や報道ぶりを紹介してみたい。日本での、実名・匿名報道をめぐるメディア側と国民の間の主張の「溝」を埋めるための一助になれば、幸いである。
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著名人も、報道の被害者に
前回の記事では、イギリスでの実名報道による被害の実例を記してみた。
メディアによる過熱報道の犠牲になるのは、一般人だけではない。
昨年9月、ラグビー・ウェールズ代表の元キャプテン、ギャレス・トーマスさんが苦渋の選択に迫られたことを告白した。
トーマスさんは2009年に同性愛者であることをカミングアウトしていたが、エイズの病原体HIVに感染していることは誰にも話していなかった。しかし、ある朝、大衆紙サンの記者がトーマスさんの両親宅を訪問。息子のHIV感染についてどう思うかを聞いた。
トーマスさんは両親にショックを与えてはいけないと思い、時機を見て、二人に話すつもりでいた。しかし、「その機会は、サン紙によって永遠に奪われた」。
トーマスさんは自ら、HIV感染を公表することにした。自分のツイッターアカウントで、「悪人」たちから脅迫され、公表を強いられた、と書いた。
そして、10月、BBCのテレビ番組でHIV感染者としての人生をドキュメンタリーの中で語った。
今月8日には、エリザベス女王の孫にあたるヘンリー王子とその妻メーガン妃が、夫妻のインスタグラムのアカウントを通じて、公務を大幅減少させることを宣言。事実上の「引退」宣言と理解され、世界中で大きく報道された。
昨年秋、メーガン妃はイギリスの大衆紙による熾烈な報道による損害の大きさを民放のテレビ番組の中で吐露した。夫妻は、「人々やその生活を破壊する」大衆紙に損害賠償を求めて提訴。メーガン妃が離婚歴のある、アフリカ系アメリカ人であったことから、人種差別的文脈での報道に夫妻は苦しめられてきた。
一般市民も著名人も、そして王族までもが報道被害にあってきた。
イギリス放送業の編集規定は
今のところ、実名報道という原則自体をなくしようという動きはないものの、メディアの過剰報道への危機感は強い。
編集規定はどのようになっているのだろうか。
英国で放送・通信業の規制・監督を担当するのは、「オフコム」(放送通信庁)である。オフコムが定める「放送規定」は、オフコムが放送免許を与えるすべての放送局(主要放送局となるBBC、ITV、チャンネル4、チャンネル5、有料放送のスカイテレビなど)が順守する義務がある。
第8条が「プライバシー」についての言及で、「番組中でのプライバシーの侵害には…正当な理由があるべき」と規定する(8-1条)。プライバシーを侵害する「公益がある」と判断した場合、放送局側が個人情報などを報道できる。「個人やその家族の居住地を明らかにする情報は、正当な理由がない限り、許可を得ずに公開してはならない」(第8-2条)。
取材については、どうか。
レポーターなどが取材をしたい人の家や仕事場などの前で待ち構え、建物中に入っていくまでを撮影し続けることがあるが、これは「ドアーステッピング(ぶら下がり取材)」と呼ばれている。これについては、「取材願いが拒否された、あるいは取材が実現できなかった場合、通常のやり方では調査が進まないといったことがない限り、また正当な理由がない場合、行ってはならない」(8-15条)。
新聞界の編集規定とは
新聞・雑誌界の場合は、自主規制組織「独立新聞基準組織(IPSO)」の会員(新聞社、出版社)の代表者による「編集者規定」が定められている。「個人の権利と一般市民の知る権利との間で、どうバランスを取るか」が勘所となる。
全文はソース元で
1/23(木) 10:00
https://news.yahoo.co.jp/byline/kobayashiginko/20200123-00159202/