◆今度は新型肺炎に絡み、中国人を攻撃するデマを拡散
このShare News Japanが今回掲載したのが「中国で日本の健康保険に“悪乗り”する方法が拡散… 新型肺炎で中国人が押し寄せる危険性」(魚拓)というデマ記事です。

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記事のネタ元として取り上げられているのが産経新聞社の発行するタブロイド判夕刊紙「夕刊フジ」公式サイトzakzakの「【日本復喝】外国人に“食い物”にされる医療制度 400万円の医療費が8万円…日本の医療に“悪乗り”する外国人たち」という記事。内容の是非には触れませんが、記事内では新型肺炎には一言も触れられていません。

Share News Japanはこの記事内容を無理やり新型肺炎に絡め、「新型肺炎で中国人が日本の健康保険に『悪乗り』するために押し寄せる」とタイトルで煽っています。

ですが、健康保険が適用されるのは在留期間が3か月を超える外国人のみで、加えて3ヶ月を超えても「観光」や「医療」目的で滞在している場合は適用されません。

つまり、短期の観光旅行で来日している中国人が日本の健康保険を使って新型肺炎を治療をすることは制度的に不可能なため、これは完全なるデマであり、不安と排外主義を煽るきわめて悪質なフェイクニュースということになります。

なお、産経新聞社は上記記事以外でも「在留期間が3ヶ月を超える外国人に健康保険を適用する」ことを税金の無駄遣いだと繰り返し攻撃し続けていますが、実はこの制度を作ったのは自民党の麻生政権です。

2009年の通常国会で「住民基本台帳法の一部を改正する法律」と「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」を成立させたことにより、外国人登録法が廃止され、在留期間が3ヶ月を超える外国人に健康保険を適用することが決められました。

◆あの高須クリニックの院長も釣られて拡散
驚くべきは、この健康保険に絡む明白なデマを数々の愛国保守発言で知られる高須クリニックの高須克弥院長が「徳川幕府なら撃ち払い令を布告する事態だよ。これ」とコメントをして拡散していること。ツイートから24時間あまりで2万のリツイート、3万のいいねを獲得しています。

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高須クリニックで健康保険適用の治療をどこまで行っているかは不明ですが、きわめてセンシティブな新型の感染症に絡む情報に対し、本物の医者がまとめサイトの医療デマに釣られてしまう事態となっています。

コメント欄でも賛同するリプライが多く、デマの指摘もされていますが(これまでの多くのフェイクニュースと同様に)追いついていないのが現状です。

なお、高須院長のこのツイートに気をよくしたのか、Share News Japanは「中国で日本の健康保険に“悪乗り”する方法が拡散… → 高須院長「徳川幕府なら撃ち払い令を布告する事態だよ。これ。」」(魚拓)とする記事を掲載。

https://buzzap.net/images/2020/01/25/share-news-japan-fake-news-pneumonia/02.png

高須院長のツイートを取り上げた上で「出てけーっ‼�本政府何やってんだよーっ」「本当に歯がゆくて憤りを強烈に感じます。政府何やってるの?」といったネットの声も掲載。

自分でひねり出したフェイクニュースへの反応でさらに排外主義を煽る記事を書くという、なかなか珍しい恥の上塗り具合となっています。

全文はソースで
2020年1月25日20:00
https://buzzap.jp/news/20200125-share-news-japan-fake-news-pneumonia/