愛知県で3年に1度開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」について、名古屋市が次回(2022年)に向けた負担金を20年度当初予算案に計上しないことが、複数の関係者への取材でわかった。従来は毎年度、準備費用を予算に計上している。河村たかし市長は計上しない理由について、19年の芸術祭の企画展「表現の不自由展・その後」を巡る経緯を挙げている。

芸術祭は県と市などからなる実行委員会の主催。市によると、県と市は事前協議を経て、毎年度予算に準備費用を計上してきた。過去3年間(17〜19年度)の県と市の負担割合は3対1で、市の負担は計2億1500万円。

19年の芸術祭では、不自由展で慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などが展示されたことに河村市長が強く反発。不自由展がいったん中止された後、再開されることにも反対した。

河村市長は2日、朝日新聞の取材に、不自由展の内容の一部が市への事前連絡で隠された可能性や、実行委会長の大村秀章・愛知県知事が運営会議を開かずに不自由展再開を決めたことなどを挙げ、「こんな状況では(予算計上)できない」と話した。

2/3(月) 5:00
朝日新聞デジタル
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