新型肺炎の感染者増加を受けて予防のためのマスク需要が高まり、売り切れや高額での転売も報じられている。マスクを入手できなかった場合、対策はどうすればいいだろう。

実は世界保健機関(WHO)は、症状のない人が予防目的でマスクを着けることを積極的には勧めていない。必ず頻繁な手洗いと組み合わせるべきだとし、四日には「手洗いの方がマスクより重要」との見解まで発表している。

なぜそこまで手洗いを強調するのか。ウイルスが付着した手で目や鼻をこすったり、口を触ったりすることの感染リスクを重視しているためだ。マスクで鼻や口を覆うと手で触れにくくなるというメリットはあるが、マスクなしでも気を付けることはできる。

一方、せきやくしゃみが出るときはマスクでウイルス飛散を防ぐことが推奨されている。マスクがなければティッシュで鼻と口を覆い、使い終わったらごみ箱に直ちに捨てる。その後の手洗いも忘れずに。

▼水道「栓」にも注意

厚生労働省などの資料を基に、正しい手洗いのポイントを紹介する。

まず洗い残しを避けるため、腕時計や指輪は外す。爪を短くしておくことも重要だ。

手をぬらし、せっけんを泡立てたら、二十〜三十秒かけて隅々まで洗う。三十秒は意外に長い。「ハッピーバースデートゥーユー」の歌二回で、ちょうどそのくらいになる。

親指や手の甲、手首は洗い方が雑になりやすいので意識してしっかり洗おう。流水ですすいだ後は使い捨てのペーパータオルで拭くのがお勧め。布タオルの場合は共用せず個人用にしたい。

水を出そうと水道のハンドル(栓)に最初に触った際にウイルスが付着した可能性があるので、水を止めるときは、手を拭いたペーパータオルを使うか、手と一緒に栓もせっけんで洗い、水で流してから閉めるとよい。

2020年2月7日 夕刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020020702000285.html
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