[アムステルダム 10日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)前会長で現在逃亡中のカルロス・ゴーン被告の報酬を巡り、同社と三菱自動車(7211.T)の弁護士は10日、オランダの裁判所に提出した書面で、同被告が両社の統括会社を利用し、自身への支払額を膨らませ、申告していた報酬削減額を事実上、回収していたと明らかにした。





日産と三菱自は、オランダに設立した合弁会社「日産三菱BV」からゴーン被告自身が決めた報酬額を支払っており、すでに730万ユーロに相当する報酬と賞与に対して異議を唱えている。両社は、こうした報酬は取締役会に諮られることはなかったと主張している。

弁護士は新たに提出した書面で、日産で申告した自身の報酬削減額を穴埋めするため、補償という形で報酬を受け取っていたと申し立てた。

ゴーン被告は17年4月に日産の最高経営責任者(CEO)を辞任する際、報酬削減に同意した。

こうした日産・三菱自側の主張に対し、ゴーン被告側の弁護団の代表者は、不当な支払いということの根拠がないと反論。その上で「ゴーン氏はフランスと日本の企業を協力させる重責を担っていた。日産のCEOを下りたが、ゴルフをするために引退していたわけではない」と話した。

2020年2月11日 / 12:08
https://jp.reuters.com/article/renault-nissan-ghosn-idJPKBN20508Q