アメリカのトランプ大統領が不法移民対策として公約に掲げるメキシコとの国境沿いの壁の建設について、アメリカ国防総省は去年に続き、日本円にして4100億円余りの国防予算を転用して新たに280キロ余りの壁を建設することになりました。

アメリカ国防総省は13日、声明を発表し、国境沿いの壁を建設するためにおよそ38億ドル、日本円にして4100億円余りの国防予算を転用することを決め、議会に通知したことを明らかにしました。

国防総省によりますと、2020会計年度の予算のうち最新鋭のステルス戦闘機F35や、無人攻撃機の調達費などを転用して、新たに280キロ余りの壁をメキシコとの国境沿いに建設するとしています。

国防総省は去年9月にも36億ドル、日本円にしておよそ4000億円の国防予算を転用して壁の建設費に充てており、トランプ政権はこれまでにおよそ160キロの壁が完成したとしています。

トランプ大統領は今月4日の一般教書演説でも不法移民対策を強化しているとアピールしたうえで、来年の初めまでにはおよそ800キロの壁を完成させると表明しており、再選を目指すことし11月の大統領選挙に向けてみずからの公約を推し進めるねらいがあるとみられます。

2020年2月14日 12時55分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200214/k10012285251000.html
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