嵐山「スイてます」新型肺炎で激減、逆手に誘客キャンペーン「本来の姿味わって」
2020年2月15日 10:30

「スイてます嵐山」―。新型コロナウイルスによる肺炎の影響で観光客が激減している
京都市右京区・嵐山周辺の商店主らが、閑散ぶりを逆手にとった誘客キャンペーンを14日から始めた。
渡月橋などの観光スポットは、ここ数年訪日客でごった返し、旅慣れた京都ファンから敬遠されるほどだった。
商店主らは「今なら、本来の嵐山の姿を味わってもらえる」と呼び掛けている。
 
「#竹林#嵐山#人いない」「人間よりサルの方が多いとか、久しぶり。」
こんな自虐的なキャッチフレーズが「竹林の小径(こみち)」や
「嵐山モンキーパークいわたやま」の写真に添えられたポスターが店頭を飾った。
「今こそ!おこしやす」の文言も踊る。
 
企画したのは、嵐山の5商店街でつくる嵯峨嵐山おもてなし協議会。
中国政府が団体客の渡航禁止を決めた先月27日以降、中国からの観光客だけでなく、欧米人や日本人の客も激減した。
団体客を受け入れている飲食店では売り上げが半減し、「融資を検討するほど深刻」と嘆く。
 
協議会は、桜のシーズンや東京五輪を控える中で、影響が長引くことを懸念。
各店舗で手洗いやうがい、アルコール消毒などウイルス対策を徹底した上で、誘客キャンペーンを始めることにした。
 
渡月橋や保津川下りも「スイてます」とPRする4種類のポスター計300枚を制作。
地元商店街のほか大阪市北区の阪急大阪梅田駅などにも掲示する。
さらに会員制交流サイト(SNS)でも発信していく予定。一部店舗は買い物客に対して景品も用意する。
 
会員からは不謹慎ではとの意見もあったが、危機を乗り切るため決断した。
協議会の吉田憲司会長は「山紫水明の風景をゆったりと楽しんでもらうため、いつも以上のおもてなしの心で迎えたい」と話した。

京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/160656
「スイてます嵐山」と呼びかけるポスターを設置する商店主(京都市右京区)
https://kyoto-np.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/600m/img_c0183642c00f17d26b0dc871e326c1bc567175.jpg