日本海で漁獲されるスルメイカの小型化が進み、2019年の調査では脚を除く平均体長が19・82センチと記録が残る1978年以降、最小だったことが石川県水産総合センター(能登町)の調べで分かった。平均体重も162グラムと前年の約6割となり、魚体の小型化が漁獲量の低迷につながっていると指摘した。

17日に能登町の県漁協小木支所で開かれた漁業関係者との意見交換会で、同センターの四方崇文研究主幹が報告した。

8〜10月の資源分布量を調査したところ、体長は最も大きかった2002年の25・57センチより約5・8センチ小さかった。小型化は13年以降続き、平均体重も02年の305グラムからほぼ半減した。

日本海を回遊するイカは秋に東シナ海で生まれ、春から夏にかけて北上する。小型化の要因として四方氏は、対馬暖流の水温が高くなり、産卵に適した温度にならず産卵期が遅れている可能性を指摘。このため成長期も遅くなり「餌が豊富な時期に成長期を迎えることができなくなっているのではないか」と推測した。

日本海区水産研究所(新潟市)の川端淳資源管理部長は、19年の資源量が約63万トンで1991年以降で最低になったと報告。例年と異なり日本海の大陸寄りにイカが回遊し、能登半島沖の好漁場「大和(やまと)堆(たい)」周辺での不漁につながったとした。

意見交換会は漁業情報サービスセンター(東京)が主催し、漁師や加工業者ら約70人が出席した。

小木支所の2019年度のスルメイカ水揚げ量は1541トンと3季連続で過去最低を更新した。水揚げ量の減少を受け、小木の4隻が今季、北太平洋でのアカイカ漁に進出する。

2020/02/18 01:33
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