2020/3/ 8 17:04

預金しても利息はスズメの涙にもならないのに、銀行口座を持っているだけで維持費をとられる。そんな事態に預金者は泣き寝入りするしかないのだろうか――。

2016年2月に日本銀行が実施に踏み切った「マイナス金利」政策による収益悪化を背景に、地方銀行などを中心に、銀行の「口座維持手数料」の導入がじわじわと進んでいる。

そうしたなか、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、株価が急落。2020年3月3日、米国が先手を打って連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行にあたる)が緊急利下げを発表。日銀に追加の金融緩和に踏み切るよう、プレッシャーをかけたかのようだ。


銀行悲鳴! 新型コロナでマイナス金利「深堀り」か?

新型コロナウイルスによる金融市場の動揺で、米FRBが緊急の追加利下げに踏み切った。利下げ幅は0.5%と通常よりも大きく、政策金利を1%から1.25%の範囲とした。

3月3日に、主要7か国(G7)の財務相と中央銀行総裁が電話会議後の共同声明で、新型コロナウイルスの世界経済への影響を抑え、持続的な成長の達成と下振れリスクに備えるため、適切な政策手段を用いる意思があることを表明。米国の緊急利下げは、この協調姿勢を受けたものだ。

一方、日銀の黒田東彦総裁も、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」との異例の談話を、2日に公表しているが、日銀は18、19日に開く金融政策決定会合で、「追加の金融緩和に踏み切らざるを得なくなった」(証券アナリスト)との見方は支配的だ。

注目は、その緩和策にある。米FRBが早めに、しかも利下げ幅を大きくしたことで、「マイナス金利の深掘り」が、浮上してきたようなのだ。

マイナス金利政策は、導入から4年が過ぎたものの、当初の目的とされた「物価上昇率2%」のインフレターゲットの達成目標には、ほど遠いのが現状。そのため、今回の会合では「深堀り」(現行のマイナス0.1%のマイナス幅を拡大する利下げ)は見送られると思われてきたが、「景気判断の下方修正は仕方がないとしても、打つ手をきっちり打っていることを国際的にアピールする必要があります。東京五輪・パラリンピックのこともあり、政府の意向が働いている可能性があります」(前出の証券アナリスト)と話している。

預金は銀行で「厄介者」扱い
金融当局のこうした動きに警戒感を強めているのが銀行だ。マイナス金利政策の影響で、銀行の収益力は弱まっている。ボディブローのように効いてきた。

金利を「ゼロ」にすれば、会社はお金を借りやすくなるが、使い道のないお金は借りない。仮に売り上げを伸ばそうと設備投資をしたくても、先行きが不透明な状況では投資しにくい。そもそも、銀行は返してもらえそうにないお金は貸さない。

一方、業績のいい会社は「安全運転」経営なので借金はしないし、利益を貯め込んでいる。お金は潤沢にあるから、銀行の出番がない。さらには、マイナス金利で「利ザヤ」が薄いので、「薄利多売」の銀行はお金を貸しても収益を上げられないわけだ。

そんな銀行の「ツケ」を、預金者に押し付けようというのが「口座維持手数料」だ。預金者に口座維持手数料を求めるやり方は、欧米の銀行では珍しくなく、日本の銀行が「ガラパゴス」化しているとの指摘もある。

たしかに銀行では預金口座の維持、管理のために一定のコストがかかっている。どの銀行も一冊の通帳につき、毎年200円の印紙税を負担。そのほか、口座管理のシステムや人件費、またマネーロンダリング(資金洗浄)のチェックなどのコストもかさむため、口座の残高にかかわらず、一口座あたり年間数千円の維持費がかかるとされる。

銀行に預金が集まらない日がやって来る?
https://www.j-cast.com/2020/03/08381635.html?p=all
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