「新型肺炎の世界的な拡散が現実化してしまったことで、グローバルな景気失速リスクが格段に高まっている。
感染がグローバル化したことにより、世界的な感染のピークはまさにこれから。

今後起きる最悪のシナリオは、『東京オリンピックの中止』でしょう」と人気アナリストの馬渕磨理子氏が解説する。
今年、オリンピックバブルを心待ちにしていた経済界にとってこれ以上のバッドニュースはない。
東京オリンピック中止は、株価にどれだけの打撃を与えるのか――。

■日本の意向は汲まずに「オリンピック中止」の可能性も

新型肺炎の感染拡大により、東京オリンピック中止が現実味を帯びてきています。
国際オリンピック委員会(IOC)委員のディック・パウンド氏が「開催可否の判断は5月下旬が期限」「1年延期も不可能ではない」との見解を示したことから、東京オリンピックの開催の雲行きが怪しくなっています。

マラソン競技の開催地が、暑さ対策への懸念からIOCの一声で東京から札幌に変更された時のことを思い出してみてください。
この時、開催国の日本への合意はありませんでした。
同様に、今回のコロナウイルスの感染拡大を受け、日本の意向は汲まずに大会中止や開催地を変更されてしまう可能性もゼロではないのです。

■東京オリンピックが中止となった場合の経済損失

東京オリンピックの経済規模はどの程度試算されていたのでしょうか。
東京都のオリンピック・パラリンピック準備局の試算によると、オリンピック開催の経済効果は招致が決まった2013年から2030年までの18年間で約32兆円としています。

アナリストの馬渕磨理子氏。
「五輪中止となれば約20兆円以上の経済損失となります」。

経済波及効果32兆円の内訳は、東京五輪開催までの直接効果約5兆2000億円、五輪後のレガシー効果=27兆円となっています。
32兆円の1年間当たりの金額は約1.8兆円ですので、中止となれば約20兆円以上の損失となります。

また、経済波及効果が起きる以前の、オリンピック開催にあたり直接的な需要増の数値も公表されています。
たとえば、大会開催に直接的に関わる投資・支出、施設の整備費、インフラの整備、セキュリティー対策や広報などを含めた運営費用は約2兆円。

そして、大会後の需要を見込んだ施設や選手村の後利用や東京のまちづくり、バリアフリー化やオリンピックをきっかけにした観光などの需要は約12兆円。
合計14兆円のうち、建設などすでに需要として発生しているものもありますが、開催期間中の需要がゼロになる打撃はかなり大きいと言えます。

■オリンピック・ラストスパート特需がゼロの恐怖

現在、ニュースはコロナウイルス一色ですが、オリンピック開催まで5カ月を切りました。
本来この時期は「オリンピック特需」といえる競技会場の整備費・警備、大会運営費、スタッフ人件費、企業のマーケティング活動費などの需要が見込めるはずです。

しかし、中止となればすべてがゼロになってしまいます。
また、観戦に伴うホテル代や食費など、観戦者の個人支出も見込めなくなります。

この“ラストスパート需要”が約5兆円という試算ですが、中止が決定した場合、広告代理店・テレビ局・セキュリティー会社・マーケティング会社などの業績に大打撃を与えることになるでしょう。
さらに、雇用にも打撃を与えます。

東京オリンピックの開催によって、直接雇用される人数は全国で30万人増加し、1.3兆円が雇用者所得になる試算です。
そして、大会が終わっても続く「経済効果=レガシー効果」として、全国で163万人の雇用が生まれ、7.3兆円の雇用者所得が生まれる試算となっています。

この雇用者所得、すなわち給料がまるまるなくなるとすれば、個人消費に影響が出てくるのは必至。
卸売・小売・飲食店にも悪影響が出るのは間違いありません。

3/11(水) 9:15配信 PRESIDENT On-line
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200311-00033553-president-bus_all

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