三重県の伊勢湾で揚がったばかりの新鮮な海の幸を大阪方面へと運ぶ近畿日本鉄道の「鮮魚列車」が13日、ラストランを迎えた。大勢の鉄道ファンらが見守る中、上りの最終列車が午前8時58分、大阪上本町駅に到着。昭和38年から「天下の台所」の食を支えてきた全国唯一の行商人専用列車が、半世紀の歴史に幕を下ろした。

「愛着のある列車がなくなるのは寂しいが、これも時代の流れやね」。行商人になった16歳の頃から鮮魚列車に乗ってきた伊勢志摩魚行商組合連合会の元会長、浜田吉一さん(70)がしみじみと語る。

運行が始まったのは昭和38年9月。一般の列車で鮮魚を運ぶと魚特有の臭いなどもあるため、組合の貸し切り列車となった。当時は300人を超える行商人が「カンカン」と呼ばれるブリキ製の容器を背負って乗り込み、車内には荷物が天井まで積まれた。網棚の上で横になる人もいたほどの混雑ぶりで、浜田さんは「一般の人がいないから、連れ(友人)と大声で魚の売り方とかを話したりして、それはにぎやかだった」と振り返る。

列車は日曜・祝日を除く平日に毎朝運行。午前6時1分に三重県伊勢市の宇治山田駅を出発し、3時間近くかけて約140キロ離れた大阪上本町駅へと向かう。行き先や列車種別を表示する先頭車両の方向幕は、「鮮魚」。外見は通勤電車だが、車内はつり革や中づり広告のない特別仕様だ。行商人はロングシートを寝台代わりに使い、休息を取る。

︎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
引用ここまで。全文は下記よりご確認ください。
https://www.sankei.com/west/news/200313/wst2003130011-n1.html
https://www.sankei.com/images/news/200313/wst2003130011-p1.jpg