【ワシントン時事】

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は17日から2日間、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。新型コロナウイルスの感染拡大で動揺する市場の沈静化を図るため、3日の緊急利下げに続く大幅引き下げを決める見通し。政策金利を一気に1.00%下げ、リーマン・ショック後に導入した実質ゼロ金利を復活させるなど、異例の緩和に踏み切る可能性もある。
 米経済は低失業率と個人消費に支えられてきたが、新型ウイルスの感染が世界的に広がり、外出自粛による景気悪化は避けられない情勢だ。世界同時株安を受け、欧州中央銀行(ECB)など主要中銀は相次ぎ金融緩和を決定した。
 市場の混乱が実体経済に及ぶのを回避するため、FRBは3日に0.5%の大幅な緊急利下げを断行。市場には巨額の資金を供給し、不安解消を図っている。パウエル議長は利下げ後の記者会見で「景気下支えへ適切に行動する」と述べ、追加利下げを排除しないと明言した。
 現在の政策金利は年1.00〜1.25%で、1.00%引き下げられれば2015年12月以来の実質ゼロ金利に戻る。金利先物市場から算出した利下げ幅の確率は「1.00%」が約70%、「0.75%」が約30%。
 利下げ余地が限られる中、「非伝統的金融政策」を再導入するかも焦点だ。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れによる量的緩和などが対象となる見通し。企業の資金繰り支援につながる貸出規制の一時的な緩和も含まれそうだ。
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FRB議長の解任権限ある 米大統領、大幅利下げ要求

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は14日の記者会見で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を「解任する権限がある」と改めて主張した。新型コロナウイルスによる景気悪化を警戒し「先回りして動くべきだ」と強調。FRBが金融政策を決める17、18日の会合を前に、人事権をちらつかせて大幅利下げを再び要求した。

 トランプ氏はパウエル氏の政策運営に関し「多くの悪い決定を下してきた」と批判。議長職を解任して「普通の地位に戻せる」と述べ、理事に降格させることができると説明し、3日の緊急利下げに続く大幅利下げを迫った。
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