東京オリンピックの聖火が26日のリレー開始を前に東日本大震災の被災3県で巡回展示される催し「復興の火」は21日、仙台市で行われ、多くの市民や観光客が駆けつけた。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、主催する宮城県は混雑緩和に努めたが、観覧待ちの長蛇の列は500メートルを超えた。

 会場となったのはJR仙台駅東口自由通路の屋外デッキ。特設ステージに設置された聖火皿にオレンジ色の炎がともされた。観覧者は15人ほどずつ時間制限1分間で案内され、
慌ただしくカメラやスマートフォンで記念撮影していた。
 それでもマスク姿で順番を待つ列は伸びた。換気の観点から屋内部分での順番待ちを極力避けたため、列は駅反対側の西口に及んだ。先頭で約2時間半待ったという仙台市のパート従業員、
戸田静枝さん(67)は「これだけ並んだから、ゆっくり見たかったけれど、仕方ないですね」とぽつり。同市の小学5年、斎藤真桜(まお)さん(11)は「5分は見たかったな」と残念そうだった。

 民間警備会社のスタッフやボランティアら約90人が誘導役を務めて滞留を防ぎ、ステージ前には消毒液も置かれた。県は大震災からの復興の歩みを紹介する写真パネルの展示も
予定していたが、混雑を避けるため取りやめた。県の担当者は「市内で最も人が集まるエリアで、感染者を出さないため苦渋の判断だった」と話した。
 聖火は22日からは岩手県内で展示される。【村上正】

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200321/k00/00m/040/141000c
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