ノマドワーカーやアドレスホッパーなど新しい働き方や暮らし方が次々に生まれる今、「家」に対して人々が求めるものも変わりつつあります。

そんな中、数年前から新しい住空間としてじわじわと注目されつつあるのが、タイニーハウス。無駄を省き、コンパクトかつ機能的なその住宅スタイルがトレンドとなっています。

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そのCabin Oneの共同創業者・CEOであるサイモン・ベッカー氏に、多様化する住まいの形やタイニーハウスの可能性、そしてCabin Oneのビジョンについて話を伺いました。

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──約25平米という広さは、日本では一般的ですがヨーロッパの住まいとしてはかなり狭いのでは?

サイモン:当初は、機能面と快適性を兼ね備えたモダンハウスを小さなスペースに詰め込むことができるかどうかが懸念でした。そこで、全面窓を採用して自然光を取り込むなど、内と外をつなぐ工夫をすることで広く感じさせています。

──内部の間取りは自由にカスタマイズできるのでしょうか?

サイモン:多少は可能ですが、あまり大きなカスタマイズはできません。あくまでもプレハブ住宅であり、同じものをたくさん作ることでコストを下げているからです。

これまでの常識として、「家とは自由にカスタマイズ可能なもの」と考えられてきたかもしれません。でもCabin Oneの場合、「これが気に入らなければ買わなければいい」というスタンスです。

たとえて言うと、自動車と同じです。大枠やパーツの配置は同じですが、細かな部品などは好みのものに変えることができますよね。でも、ポルシェが老若男女にまんべんなく受けるかというと、そうではないでしょう。

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──タイニーハウスは、大きな土地が必要ないことも利点の1つではありますが、それでも都心部などではある程度のスペースを確保するのは難しいように思います。この課題に対してどのように取り組んでいるのですか?

サイモン:ご指摘の通り、実際に住むためにはプロダクトだけでなく、もちろんそれを置くスペースが必要です。

そのスペースについて、従来の不動産では実現不可能なため利用されてこなかった場所として、私たちは屋上に目をつけました。集合住宅をメインとした既存の建物の屋根にキャビンを設置し、新たな住空間を生み出すのです。

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サイモン:住まいというプロダクトは、急速な変化を続けており、不動産のライフサイクルも短期化傾向にあります。

一方で、不動産業界はそのような変化に対応しきれず、需要は変化しているのに供給は変わらないという問題が起きています。スマートホームなど、適応可能なコンセプトがまったくないわけではありませんが、規模は小さく、スピードも遅すぎるのが現状です。

これは私たちにとってはチャンスです。不動産業界にはできなくても、私たちは社会の発展する方向性に適応することができます。

その方向性の1つはモビリティとフレキシビリティ。もはや人々は、1つの土地を所有してそこに留まりたいとは思っていません。好きなように動いていたいのです。不動産というコンセプトはこの需要に合致しません。

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──Cabin Oneをはじめとするタイニーハウスが、「持ち家」「賃貸」に続く第三の選択肢になり得るでしょうか?

サイモン:どんなビジネスモデルを考えられるかにかかっていると思います。

たとえばCabin Oneで言えば、キャビンモジュールの一部や丸ごと1棟、あるいは2棟を買えばそこに何泊か泊まることができたり、さらに1棟買うと10年間自由に住めたり。その後そのままの状態を維持しつつ、賃貸の柔軟性も持てるというようなイメージでしょうか。

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翻って日本はどうかというと、私たちのプロダクトとの相性は良いと思います。なぜなら日本人は、狭い空間で暮らすことに慣れているでしょう。そのため、ヨーロッパで行なったような狭い場所に暮らすための教育をする必要がありません。逆に、目新しさは感じてもらえないでしょうし、むしろ退屈に思われるかもしれません。

とはいえ、リソースさえ整えばすぐにでもローンチしたいと考えています。実際これまでに、日本進出は何度も話題に上がっています。アジア進出の第一歩として、日本は文化的なバリアがそれほど高くありませんから。(続きはソース)

3/20(金) 12:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200320-00000002-biz_lifeh-life
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