0001すみれ ★
2020/03/26(木) 09:21:18.38ID:cc29diK09米国イエローストーン国立公園は、地質学のワンダーランドだ。64万年前の超巨大噴火でできたカルデラを中心に広がる8991平方キロの公園は、そのあちこちで間欠泉が噴き出している。これらはすべて、地下に溜まっているマグマや高温の流体とかかわりがある。
このカルデラの北西に位置する東京23区よりも広いエリアが20年以上にわたり、謎の上下動を繰り返している。この「呼吸」の原因について、新たな仮説が学術誌「Journal of Geophysical Research: Solid Earth」に発表された。
謎の「呼吸」エリアは、500以上の熱水泉や間欠泉が存在する「ノリス・ガイザー・ベイスン」を中心とした一帯。不規則だが年間10センチメートル前後、地表が上下に動く。「非常に長い間、ノリス地域を中心に地形が変化してきたのでしょう」と、今回の共著者の一人、米地質調査所カスケード火山観測所のダニエル・ズリシン氏は語る。
今回、研究者らは、数十年分の人工衛星データやGPSデータを用い、地中で起きていることをモデル化しようと試みた。そこからわかったのは、1990年代後半に大量のマグマがノリスの地下に進入したこと。溜まった大量のマグマから一部の流体が岩石の隙間を上昇、地中の圧力が高まり、地表面が上昇した。やがて流体が別の場所へ抜けてゆくと、地表は沈降する。マグマ由来の流体は現在、地下1500メートルほどの比較的地表に近い場所にあると見られる。
誤解のないように言えば、今回の論文は、64万年前にイエローストーンのカルデラを形成したスーパーボルケーノ(超巨大火山)が再噴火すると言っているわけではない。
この地域には、世界でもっとも高く噴き出す間欠泉「スチームボート・ガイザー」があり、2018年3月以来、記録的なペースで噴出を続けている。今回の研究成果はその原因を説明できる可能性がある。また、ノリスの地下で起きている変動によって、水蒸気爆発が起きる可能性がわずかに高まっていることも考えられるという。
研究者たちの一致した意見は、大量のマグマが貫入し、その際に漏れ出した流体が原因となって地表の上昇や下降が起きている可能性が高いということだ。
「ノリス・ガイザー・ベイスンがどれほど変化している場所なのか、私たちはようやくそれを理解し始めたところです」と、今回の研究に関わっていない米地質調査所イエローストーン火山観測所のマイケル・ポーランド氏は語る。
頻繁に噴き出す間欠泉、激しくなる上下動
ノリス・ガイザー・ベイスンは、イエローストーン最古の間欠泉地帯だ。11万5000年前に熱水作用によってできた地形であることがわかっている。地下約300メートルには、237℃を記録する場所もある。
ノリス・ガイザー・ベイスンの地質活動を象徴するのが、スチームボート・ガイザーだ。水蒸気や熱水を高さ120メートルまで噴き上げるこの間欠泉は、かつては噴き出す頻度が低く、その間隔も4日から50年までとさまざまだった。しかし、2018年3月以降、週に一度のペースで噴き出し続けている。2018年には年間32回という新記録が生まれたが、その記録は早くも翌年に塗り替えられ、48回となっている。
「おかしくなってしまったのかと思うくらいです」と、地熱学に詳しい英グラスゴー大学のヘレン・ロビンソン氏はと話す。氏は今回の論文に関わっていない。
世間の注目を集めているのは気まぐれな間欠泉が活発になったことだが、科学者たちはこの一帯の上下動が激しくなったことの方に注目している。直径30キロメートルほどのこの一帯は、1996年から2004年にかけて約12センチメートル上昇したが、2005年から2013年にかけては7センチメートル沈降した。
2013年後半から2014年初頭にかけて、年間15センチメートルのペースで急速に隆起。イエローストーン国立公園で観測された中で最大のペースだ。2014年3月にマグニチュード4.9の地震が起きると隆起は突然止まったようで、その後はゆっくりと下降と上昇を繰り返すようになった。現在は、2000年に比べれば13センチメートルほど高い位置にある。
続きはソースで
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200326-00010000-nknatiogeo-sctch
https://amd.c.yimg.jp/im_sigg8w_ZESV9XljVrmu4p.zPgw---x900-y600-q90-exp3h-pril/amd/20200326-00010000-nknatiogeo-000-1-view.jpg