自宅に引きこもる生活を余儀なくされていると、ストレスと孤独感に苛まれても当然です。

そんなときは、地球から250マイル(約402Km)離れて平均的なアパートと比べても決して広くないスペースで、半年から1年程度暮らす宇宙飛行士の生活を想像してみてください。

宇宙飛行士は、近所を散歩することも、毎週スーパーに行くことも、お気に入りのレストランでテイクアウトすることもできません。

場合によっては、宇宙船という小さなスペースを6人でシェアすることもあり、常に地球から監督されながら、分単位で計画された任務を遂行しています。

その結果、宇宙飛行士はストレスと孤独感が強い期間を何とか生き抜く戦略をいくつも見つけています。そうした戦略の中には、引きこもり生活を余儀なくされている今の私たちにも応用できるものがありそうです。

米Lifehackerは、パーデュー大学で農学と生物工学の教授を務めるD. Marshall Porterfield博士から話を聞くことができました。

Porterfield博士は、5年間NASAで宇宙生命と物理科学部門のディレクターを務め、その間、制限された環境で暮らす宇宙飛行士たちと協働しました。

その経験に基づいてPorterfield博士は次のことを推奨しています。

ルーティンを決めてきちんと実行する
宇宙船のクルーは毎日厳しいスケジュールに従って活動しています。

宇宙飛行士のスケジュールは、メンテナンス活動、実験、教育、アウトリーチを含めて、5分刻みで計画されています。

この厳しいスケジュールを守ることで、宇宙飛行士は平常心を維持できて、1日をきちんと過ごせるのです。

在宅勤務中は、平常時のスケジュールを維持することが重要です。

これは、家族と過ごす時間やフィットネスの時間などを含めて、できるだけ規則正しいスケジュールを守ることも意味します。

身体を動かす
宇宙飛行士のスケジュールには、毎日最大2時間の身体トレーニングが含まれます。

低重力下での生活は、骨密度も筋肉量も低下するからです。

身体を鍛えると他にもいろいろなメリットがあり、そのひとつはもちろん、気持ちの落ち込みを最小限に抑えることです。

ですから、定期的なワークアウトのルーティンをまだ設定していないなら、「これを機会に始めてください」とPorterfield博士は助言します。

ジムは閉まっているかもしれませんが、自宅でできるルーティンもたくさんあります。自分に向いているものを見つけて、時間を割いて実践しましょう。

友人や家族と電話、メール、メッセージでつながる
国際宇宙ステーションで暮らす宇宙飛行士は、愛する人たちから遠く離れていますが、家族に電話やメールができるので、家族とつながっていられます。

知り合いに独り暮らしの人がいるなら、電話やメールで、「あなたのことを思っていますよ」と伝えることが大切です。この種のふれあいはとても強い力を持ちます。

目的意識を持つ
Porterfield博士も指摘していることですが、目的意識があると目標を設定しやすくなります。

宇宙船のクルーは、仲間と一緒に行なっていることが社会的大義に貢献することも、自分たちの仕事が、結果的に人類の宇宙計画を進捗させることも認識しています。

自宅に引きこもって生活している人の目標は宇宙飛行士とは違うかもしれませんが、決して重要度が低いわけではありません。

他人と社会的な距離を保つと、COVID-19の感染拡大を遅らせることになり、医療崩壊の回避につながります。

また、愛する人の感染リスクを低くして、必要な医療を必要なときに受けられるように医療リソースに余裕を持たせることができます。

私たちの使命は感染者数の曲線をなるべく低く抑えることです。

みんな一丸となってこの使命を果たしましょう。

2020.04.06
https://www.lifehacker.jp/2020/04/210391how-to-cope-with-isolation-according-to-an-astronaut.html
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