4/10(金) 22:58配信
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 青森県は10日、十和田市にある高齢者グループホームの職員3人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。この施設では9日に80代女性入居者の感染が確認されていた。3人は30〜50代の女性職員。女性入居者の濃厚接触者として県がPCR検査をしていた。施設の感染者は計4人となり、11日にも判明する16人の入居者の結果次第では、さらに感染者が増える可能性がある。県は「クラスター(感染者集団)発生の可能性がかなり高まった」との見方を示している。県内の感染確認は計17人となった。

 県は9日に感染が判明した女性入居者の濃厚接触者として、職員17人(3月で退職1人含む)と入居者17人、女性の家族2人、医師2人の計38人を対象にPCR検査を進めてきた。10日は、うち22人の検査結果が判明。陽性となった職員3人は50代1人、30代2人。残る職員14人と発熱などの症状があった入居者1人、家族、医師の計19人は陰性だった。

 県によると、新たに感染が確認された職員3人はいずれも上十三保健所管内に居住。感染した女性入居者の食事や入浴、トイレなどの介助を担当していた。関東方面など感染拡大地域への往来や海外渡航歴はないという。

 3人は十和田市内の感染症指定医療機関に入院。花粉症の30代職員1人に鼻水や喉の痛みなどの症状があるが、ほか2人に症状はない。検査結果を待つ入居者16人にも症状は出ていない。感染した女性入居者も現時点で容体は安定しているという。

 職員の行動歴では、50代職員は4日に上十三管内の親族宅で家族計11人で会食、7日に同管内の会員制のスポーツジムを利用した。ジムでは感染対策のため2メートル以上間隔を空けていたという。県は当日の利用者を把握した上で、濃厚接触者に該当するか調べる。

 親族らと同居する30代職員は、3月30日に花粉症のため医療機関を受診した。4月8日には実家で親族計6人で会食した。別の30代職員は1人暮らし。

 職員3人に関する新たな濃厚接触者は50代職員が家族10人、30代職員1人が親族ら6人の少なくとも計16人。ほかは調査中。これらの16人は自宅待機し2週間の健康観察を続けている。

 感染経路について県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「現時点で誰から誰に感染したかは把握できていない。職員の方々の行動背景をしっかり探って、感染経路をある程度特定したい」と述べた。

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