仁和寺で僧侶がバイオリンを演奏する動画が話題 「癒される」「うますぎる」の声も

 世界遺産の仁和寺(京都市右京区)の僧侶が、法衣姿でバイオリンを演奏する動画がツイッターで話題になっています。ドキュメンタリー番組「情熱大陸」のテーマ曲を演奏する姿は大きな反響を集め、リツイートは11万回以上、「いいね」は30万回を超えました。演奏しているのは一体どんなお坊さんなのでしょう。仁和寺に聞きました。

 ツイートは4月4日にアップロードされました。「外出自粛で精神的に疲れている方も多いと思います。僧侶によるバイオリン『情熱大陸』を聞いて皆さま元気を出してください」という文章と、48秒の演奏動画を付けて投稿されました。

 つぶやきは瞬く間にリツイートされ、「癒やされました」「うますぎる」とのリプライが付きました。中には、仁和寺の僧侶が登場する鎌倉時代の随筆集「徒然草」の一節のパロディーを書き、リプライを寄せる人もいました。

 仁和寺によると、この動画は4日に国宝の金堂で行われた「桜布教」の様子だそうです。仁和寺では例年、境内の桜が美しいこの時期に「桜布教」を行っています。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で参拝に訪れる人も少ないそうです。そこで、自宅で外出自粛をしている人たちにも見てもらおうと、ツイッターに動画を投稿しました。

 美しい音色を奏でたのは、仁和寺を総本山とする真言宗御室派の岡山県にあるお寺の40代の住職です。しかも「布教師」という資格を持つ、いわば布教活動のプロです。仁和寺によると、3歳のころからバイオリンを習い音楽大学を卒業した方とのことです。

 この布教師の法話スタイルは独特です。20〜30分の決められた時間の中で、3〜4曲の演奏を交えながら法話を行うそうです。時には歌詞をテーマに真言宗の教えを説くこともあるそうです。

 さて、11万回リツイートという結果に仁和寺はどう思っているのでしょうか?ツイッターを管理する仁和寺の担当者は「反響が大きくてびっくりしました。これまでにも、バイオリン演奏の動画はアップロードしていたのですが、これほどリツイートされたのは初めてです」と驚きを隠しません。

 仁和寺はツイッターのほかに、インスタグラムやフェイスブックのアカウントも持っています。今後も写真や映像を通じて、仁和寺境内の雰囲気や真言宗の教えを発信していくとのことです。


バイオリンで「情熱大陸」を演奏する僧侶(仁和寺のツイッターより)
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https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/212726
2020年4月11日 17:00 京都新聞