JR西日本は10日、取締役の月額報酬の1割を自主返上すると発表した。対象は社外取締役を除いた取締役10人で、4月分から当面続ける。新型コロナウイルスの感染拡大により主力の鉄道事業に加え、ホテル事業などが大幅に落ち込んでいる。今後グループ会社を含めて一時帰休などの措置が必要になる可能性もあり、役員報酬の自主返上に踏み切る。

1〜7日の乗車券などの運輸収入(速報値)は、前年同期に比べ60%減った。山陽新幹線の利用状況は同期間で76%減り、緊急事態宣言の発令後の8、9日に限ると、83%も減った。JR西の長谷川一明社長は会見で「かつてない極めて厳しい状況。2020年度の業績は現時点では全く見通せない」と語った。

同時に乗客減少が目立つ一部特急について減便する検討を始めた。山陽新幹線や、関西国際空港と大阪や京都を結ぶ特急「はるか」が対象となる方向で、減便の内容や規模は今後調整する。

運営するホテルや商業施設も含めて影響は大きい。雇用面でも既にグループ会社で店舗閉鎖による一時帰休の措置をとった。他のグループ会社でも短期的な雇用調整措置をする可能性があるという。

3月から4月にかけて1000億円のコマーシャルペーパー(CP)を発行し、手元資金を厚くする。今後の資金調達に向け現在金融機関と協議しているという。20年度に3年目に入った中期経営計画についても数値目標を含めて見直す考えだ。

2020/4/10 17:46
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