安倍晋三首相(65)は11日、新型コロナウイルス感染拡大をうけた緊急事態宣言の対象となっている7都府県以外の40道府県においても、繁華街の接客を伴う飲食店の利用自粛を強く呼び掛けた。
事実上、国のトップが全国のキャバクラやクラブなどへの「出入りNG通達」を明確に出した形。
これまで自粛要請対象になっていなかったエリアの繁華街にも、大きな影響が広がりそうだ。

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安倍首相はこの日、官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で「夜の繁華街においてはすでに多くの感染が確認されており、全国的な広がりを見せている」と指摘。
「繁華街の接客をともなう飲食店などについては、全国全ての都道府県においてその出入りを控えていただくよう要請すべき旨を、基本的対処方針に新たに追加した」と発表した。

安倍首相は7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象に緊急事態宣言を発令。
この7都府県についてはすでに、政府の基本的対象方針において、繁華街の接客を伴う飲食店利用を強く自粛するよう促されていた。
今回全国に対象が拡大した格好で、政府は11日、40道府県に対しても同種の店への外出自粛要請を強く促すよう、基本的対処方針を改定した。
背景には宣言発令後、7都府県以外の繁華街に利用者や従業員が移動する現象が起きていたことがある。

繁華街の接客行為がある飲食店はキャバクラやクラブが代表的。多くの人が滞在する店内で飲酒しつつ、
女性従業員が不特定の男性客らと談笑するため密閉、密集、密接の「3密」リスクが高く、クラスター(集団感染)を含め各地で感染者が出ているとされる。

都では小池百合子知事が3月30日、この種の飲食店に対する利用自粛を呼び掛けていたが今回、安倍首相自ら、国内全ての繁華街においてキャバクラやクラブを使用しないよう、明確に要請したことになる。

関東地方を例にとると、宣言対象以外の県は群馬、栃木、茨城。群馬には「北関東最大級の繁華街」と呼ばれる太田市の通称「南一番街」がある。
栃木では宇都宮、茨城では土浦や水戸などに規模の大きな繁華街があり、新たな要請による影響は避けられない。

群馬県内の外国人パブで働くフィリピン出身の30代女性は「客は減っていたが、営業を続けている店が多く、まだギリギリ大丈夫だろうという雰囲気もあった。
ただ安倍首相の発言で今後、臨時休業する店も増えるのでは。女性も出勤を怖がっている人が多く、私自身最近出勤してません」と不安そうに話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200412-24110498-nksports-soci
4/12(日) 8:00配信