【ベルリン共同】ドイツ政府は4月中旬、新型コロナウイルスの感染拡大が緩やかになったとして営業規制の一部緩和を決め、20日に小中規模の店舗が営業を再開した。だが、感染は再び拡大傾向を示し、当局者は28日、外出を控えるよう国民に呼び掛けた。さらなる規制緩和か封じ込め継続か、政府は困難な判断を迫られている。

 「(感染状況を示す)数値を二度と悪化させたくない。可能な限り家にいてほしい」。ドイツ政府の公衆衛生研究機関ロベルト・コッホ研究所のウィーラー所長は28日の記者会見で国民に訴えた。店舗の営業再開で町に人通りが戻る中、外出自粛を強く求めた。

 政府は感染対策を取った場合、感染者1人から平均何人にうつるかを示す指標「実効再生産数」を注視している。数値が1を上回ると感染症は拡大に、下回ると終息に向かう。数値は3月からの外出制限の効果で下がり、規制緩和を決めた15日に1を切った。一時は0.7に下がったが、27日に1に上がった。

 政府と各州は5月6日に実効再生産数などを踏まえ、緩和を拡大するかどうかを決める方針だ。政界からは規制継続に疑問の声が上がる一方、ドイツの専門家は緩和によってウイルスが拡散し、流行の「第2波」が全土を襲う可能性を警告する。

 メルケル首相は23日、現状について「薄い氷の上を歩いているようなものだ」と述べ、拙速な緩和に慎重な姿勢を示した。

2020.4.29 15:00 共同通信
https://www.47news.jp/medical/4766658.html
https://img.cf.47news.jp/public/photo/72e7c80c76dc1d1dc70cf7825c6e087f/photo.jpg