世界の先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD、本部パリ)は4月28日、加盟国36カ国を対象に、人口1000人当たり何人がPCR検査を受けたかを比較した最新のグラフを発表した。

日本の検査数は1000人当たりわずか1.8人で、下から2番目だ。メキシコの0.4人に次ぐ少なさとなっている。

トップのアイスランドの135人と比べると2桁も少ない。OECD加盟国平均の23.1人と比べても1桁少ない。また、韓国の11.7人と比べても、15%程度にとどまっている。

また、イタリア29.7人、ドイツ25.1人、スペイン22.3人、アメリカ16.4人、イギリス9.9人、フランス9.1人など多くの感染者を出している欧米諸国に比べても、検査数の少なさが目立つ。世界の主要国と比べ、日本がこれまでPCR検査態勢をきちんと整えてきていなかったことが明白になってきている。

報告書は「新型コロナウイルスの第2波の流行が発生するリスクを減らすため、感染者と接触したすべての人の70〜90%を追跡し、検査で感染が確認されたら隔離する必要がある。これには大幅な検査の増加が必要になるだろう。しかし、新たなロックダウン(都市封鎖)がもたらす影響と比べれば、検査の大幅増加に伴う課題とコストの方がはるかに少ない」と述べている。

在日アメリカ大使館は4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、帰国を強く促す文書をホームページ上に掲載した。その中で、日本の検査態勢について、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘した。

また、OECDの2019年の報告書によると、日本の人口1000人当たりの医師数は2.4人で、OECD平均の3.5人よりも下回っている。加盟国36カ国中、32位になっている。日本の医師不足は長らく認識されてきた問題であり、特に地方の深刻な医師不足は解消されずに続いている。

なお、OECDの加盟国数をめぐっては、中南米のコロンビアが4月28日に正式加盟し、現在は計37カ国に増えている。

4/30(木) 21:51
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20200430-00176176/