【ベルリン=石川潤】ドイツのシュパーン保健相は4日、スイス製薬大手のロシュから月内に新型コロナウイルスの抗体検査薬300万個を調達すると表明した。6月以降は月500万個ペースに増やす。抗体検査は新型コロナにすでに感染して抗体を持っているかを調べる検査で、外出制限などを今後緩和していく際の重要な指標として注目されている。

シュパーン保健相は新しいテストがウイルスとの闘いの「新たな道しるべ」になると語った。大規模な抗体検査を実施すれば、人口のどれくらいの割合が抗体を持っているかを把握でき、今後の対策に生かせる。抗体を持つ人に自由な行動を認める「免疫パスポート」の検討を後押しする可能性もある。

スイスの製薬大手ロシュは3日、新型コロナウイルスの抗体検査薬が米食品医薬品局(FDA)から緊急使用の許可を得たと発表していた。同社は正確性について「100%に近い」としており、欧米や日本などが強い関心を示していた。

ドイツではすでに小売店の営業再開など、経済活動の正常化が進んでいる。ただ経済界からは、制限緩和のペースをさらに速めるべきだとの声が高まっていた。メルケル首相は感染の再拡大を避けるために慎重に判断する考えで、抗体検査の結果が今後の議論に大きな影響を与えるとみられる。

2020年5月4日 21:13
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