結核の予防接種「BCG」の接種の有無で、新型コロナの死亡率に大きな差が見られた。
中でも、日本から広がった「日本株」という株を接種している国の死亡率が極めて低い。

ウイルスと免疫の最前線に、AERA 2020年5月18日号で迫った。

「現段階ではあくまで相関関係が見られるとしか言えませんが、だとしても非常に強い相関があるということになります」

大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授の宮坂昌之さんがそう指摘するのは、
米ニューヨーク工科大学の研究者らが3月末、「BCGワクチンが新型コロナに対する防御を与えているのかもしれない」と結論づけた論文についてだ。

各国の新型コロナの感染者数や死者数の人口比と、BCGワクチンの接種状況を調べたところ、
感染率や死亡率は、接種していないイタリアやベルギー、米国などで接種している国々よりも統計学的に有意に高かったとしている。

新型コロナの感染や致死率とBCGワクチン接種の関連を継続的にフォローしている宮坂さんは言う。
「人口100万人あたりの死者数でみれば、よりクリアに相関が浮かびます」

人口100万人あたりの死者数は、集団接種を行ったことがない米国が227人、イタリアが490人。
過去に広く接種していたものの現在はしていないフランスは396人、スペインは553人。

一方、BCGを広く接種している中国は3.2人、韓国が5.0人、日本は4.4人。台湾に至っては0.3人にとどまる(いずれも5月7日現在)。

台湾とスペインでは1800倍超の差がある計算だ。

BCGワクチンの接種の有無によって死亡率にケタ違いの差が出ており、宮坂さんによると、
この傾向は検査数が増えるにつれ、より明らかになってきたという。偶然の一致では片付けられない──。そう思わせるデータだ。

BCGは、結核菌を弱毒化させた生ワクチンだ。細い9本の針痕が腕に残る「はんこ注射」といえば、思い出す人も多いだろう。
日本では、1943年にワクチンの結核予防効果が確認されて以降、接種が始まり、48年に結核予防接種が法制化された。現在は全ての乳幼児が接種対象だ。

ただ、集団接種を行っている国の中でも、100万人あたりの感染者数や死者数には開きがある。その背景として宮坂さんが着目するのは、BCGワクチンの「株」の種類だ。

1921年に仏パスツール研究所で開発されたBCGは、結核の予防効果が確認された後、生きた菌が各国に「株分け」された経緯がある。
「最も初期に分けられたのが日本株とソ連株です。デンマーク株はそれから10年ぐらいたってから、パスツール研究所からデンマークに供与されました」(宮坂さん)

日本株は台湾やイラクなど、ソ連株は中国など、デンマーク株は欧州各国などにそれぞれ分配されたという。
株による死亡率の違いはなぜ生じるのか。カギとなっている可能性があるのが、ワクチンに含まれる「生菌数」と、「突然変異」だ。

生菌とは生きたままワクチンに含まれている菌のことで、日本株とソ連株は生菌数が他の株より多いという。

突然変異について宮坂さんはこう説明する。

「人間が年をとるとがんになりやすくなるのは、細胞が分裂するにつれて遺伝子に突然変異が必ず一定の割合で起きるからです。
細菌も同様で、培養期間が増えれば増えるほど突然変異が起きやすくなります」

日本株やソ連株とほかの株で結核に対する予防効果は変わらないものの、遺伝子変異によってそれぞれの株に含まれる細胞膜の成分に差異が生じているという。

「もしBCGが新型コロナに効いているのだとしたら、こうした性状の違いが寄与していることが推察されます」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200513-00000016-sasahi-hlth

https://amd.c.yimg.jp/im_siggndr3ca5Qa80HR70HXv1djw---x872-y900-q90-exp3h-pril/amd/20200513-00000016-sasahi-000-1-view.jpg

★1 2020/05/14(木) 09:43:11.34
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