[ブラジリア 15日 ロイター] - ブラジル中央銀行が発表した3月の経済活動指数は前月比5.9%低下し、統計を開始した2003年以来最大の落ち込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために3月下旬に導入したソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)措置が響いた。市場予想は6.95%低下だった。

第1・四半期の経済活動指数は1.95%低下。新型ウイルスの危機や外出自粛の影響を完全に反映する前から国内総生産(GDP)が急減したことを示す。

季節調整後の指数は131.47と、09年12月以来の低水準を付けた。

ゴールドマン・サックスの中南米調査責任者アルベルト・ラモス氏は投資家向けのメモで「実質GDPは13年12月期のピーク時を11.6%下回っている。3月の落ち込みで16年12月期以降の成長を全て相殺した」と述べる。

今週公表された最新の政策決定会合の議事要旨によると、4月の統計は当初の予想より経済が大幅に悪化したことを示すと当局者は指摘した。

政府は今週、20年のGDP見通しを4.7%減へ引き下げた。中銀の週間市場調査「フォーカス」の約4.1%減よりやや大きな落ち込みを見込んでいる。4.7%減少した場合、1900年にGDP統計を開始して以来の大幅な落ち込みとなる。

いくつかの大手投資銀行はここ数日、より悲観的な見通しを示した。JPモルガンとHSBC、バンク・オブ・アメリカはブラジル経済が今年最低7%減少するとみている。

2020年05月16日(土)03時06分
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2020/05/276116.php
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/images/world/2020/05/15/2020-05-15T180655Z_1_LYNXMPEG4E1TZ_RTROPTP_3_BRAZIL-ECONOMY.jpg