北九州市は26日、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたのを受けて再開した公共施設43カ所を再び休館にすることを決めた。市内では23〜25日の3日連続で計12人の感染者が確認され、北橋健治市長はこの日、「第2波の入り口に立っていると思う」との認識を示した。

 26日午後に対策会議を開いて決めた。再び休館するのは観光・学習施設や文化施設など。屋内施設で不特定多数の利用が想定されるところを選んだ。期間は28日から6月18日までで、市内の感染状況次第では前倒しも検討する。期間中の市主催のイベントも中止、もしくは延期するという。

 市によると、4月30日から23日連続で新規感染者は確認されていなかったが、今月23日に3人、24日に3人、25日に6人の陽性が新たに判明。うち11人は感染経路が分かっていない。26日も新たに2人の感染が確認された。

 12人のうち2人は市立小倉北特別支援学校の講師らで、市は25日に予定していた同校の再開を延期した。

 NTTドコモが同社の携帯電話利用者の位置情報を分析したデータによると、感染拡大前(1月18日〜2月14日)と比べたJR小倉駅周辺の人出の減少幅は、宣言解除直前の1週間は5割〜7割台だったのに対し、解除直後の1週間は3割〜6割台だったという。

 北橋市長は記者会見で、「緊急事態宣言が解除され、外出の機会が増えている中で感染が増えていると考えられる」と述べ、市民に不要不急の外出を控えるよう改めて協力を求めた。

 北九州市は13日以降、市立の美術館や博物館、公園など223施設を順次再開していた。(布田一樹)

朝日新聞 2020年5月26日 21時02分
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