2020/05/31 8:00

人々はどれだけ自発的に社会的距離を取ったか

 庄司 匡宏 : 東京大学社会科学研究所准教授

 5月23日、新型コロナウイルスの感染者数は世界で500万人を超えた。この数字はその後も1日当たり約10万人のペースで増加しており、感染終息の目途は立たない。その一方で、各国政府は徐々に経済活動を再開しようとしている。

 <中略>

■人々の自発的なソーシャル・ディスタンス行動は?

 <中略>

 そこで筆者は、東京大学社会科学研究所の飯田高教授、石田賢示准教授、伊藤亜聖准教授、加藤晋准教授、ケネス・盛・マッケルウェイン教授とともにオンライン・アンケートを実施し、緊急事態宣言以前のソーシャル・ディスタンス行動を分析した。本稿ではその分析結果を報告する。

 <中略>

■高卒者の行動は感染者数増加でもほとんど変わらず

大卒者は、感染者数の増加とともに、会話人数や公共交通機関の利用を著しく減少させていた。これに対し、高卒者の行動は感染者数が増加してもほとんど変わらなかった。このほか、女性と比べて男性は外食頻度を減らさない傾向があった。
このような傾向は、専門家会議のメンバーでもある東京大学・武藤香織教授らの研究結果でも指摘されている。武藤教授らはわれわれと同じく3月末にオンライン・アンケートを実施し、低所得者ほど「3密」の状況を回避できていないことを発見した。
なぜ人々のソーシャル・ディスタンスは教育水準や所得水準によって異なったのか?

<攻略>

全文はソースで https://toyokeizai.net/articles/-/353591