茨城県常陸太田市は、同市産生乳を使ったナチュラルチーズを製造、商品化したと発表した。同市大中町にある「ひたちおおたチーズ工房」が5月24日から稼働を始め、道の駅ひたちおおた(同市下河合町)で限定販売している。同市では2017年からオリジナルチーズ作りを進めていた。

 同市北部の里美地区は酪農業が盛んで、これまでも同地区の生乳を使った「里美のむヨーグルト」「里美ジェラート」を販売してきた。市では市産の生乳をさらにPRしようと、17年に新たにオリジナルチーズの製造・商品化を目指すプロジェクト協議会を設立。チーズの作り手を「地域おこし協力隊」として採用し、各地のチーズ工房で研修を積ませ、試作を繰り返してきた。試食会などを通じ県内の飲食店などから意見を聞き、試行錯誤を重ねて商品化にこぎ着けた。

 供用廃止となった旧里美給食センター(同市大中町)を製造拠点とし、熟成庫や包装室などを備えたチーズ工房に改修。工房長には、地域おこし協力隊として18年に採用された平賀優子さん(群馬県桐生市出身)が就任した。

 現在、販売しているのは、もっちり滑らかな食感が楽しめる「モッツァレラ」、手で裂ける「ストリング」、火を通すことで生乳の風味が引き立つ「カチョカバロ」の3種類のチーズ。市内の学校給食でも提供を予定している。

 大久保太一市長は「将来的には販路を拡大し、チーズを通じて市の魅力を発信していきたい」と意気込んだ。【田内隆弘】

毎日新聞 2020年6月7日 09時53分(最終更新 6月7日 09時54分)
https://mainichi.jp/20200607/k00/00m/040/018000c