2020年6月9日 21:08
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO60169750Z00C20A6FF8000?s=4
【香港=木原雄士】「逃亡犯条例」改正案に反対する100万人規模のデモから1年を迎えた9日、香港島中心部で抗議活動があった。若者らが繁華街の道路を練り歩き、中国政府が導入を決めた「香港国家安全法」に反対の声をあげた。香港政府は新型コロナウイルス対策を名目に9人以上の集会を禁止しており、多数の武装警官が解散を命じた。
9日夜にSNS（交流サイト）の呼びかけに応じて金融街・中環（セントラル）に約1000人が集まった。新たなスローガン「香港独立 唯一出路（香港独立だけが唯一の道だ）」を叫ぶ人もいた。警察は唐辛子スプレーを使って排除した。
香港では警察がデモを認めない状態が続き、集まっただけで逮捕されるケースもある。昨年、大規模デモを主催した民主派団体「民間人権陣線」は9日の記者会見で、国家安全法に反対するデモを認めるよう政府に要求した。
香港政府の林鄭月娥（キャリー・ラム）行政長官は9日の記者会見で「この1年で香港が経験した困難は誰の目にも明らかだ」と指摘。「コロナによる世界的な景気後退の中で、香港人は安定した平和的な環境を望んでいる」と語り、国家安全法の施行に向けた準備を進めると表明した。
