奈良県河合町川合の国史跡・大塚山古墳で、墳丘が掘り荒らされ、円筒埴輪はにわ2基が持ち去られた問題で、町教育委員会は12日、持ち去ったのは子供数人で、学校の教員を通じて町教委に報告があったと発表した。埴輪の破片を持ち帰り、接合するなどして戻したが、報道されたのを知って怖くなり、学校に相談したという。


 町教委などによると、子供は4月20日頃、親らと一緒に古墳にタケノコ掘りに行き、埴輪の破片が散らばっているのを見つけた。翌日には子供だけで古墳に行き、埴輪2基の破片を持ち帰った。その後、うち1基は破片のままで、別の1基は接着剤でほぼ原形の通りに「復元」して、古墳に戻した。子供らは反省しているという。

 古墳は以前から自由に出入りできるようになっており、近くの農業男性(69)も「春にはタケノコを掘りに古墳に入る人が多い」と話しているが、町は立ち入りの規制はしていなかった。町教委生涯学習課は「今はロープで立ち入り禁止にし、学校を通して指導に努める」としている。

読売新聞 2020/06/13 17:51
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200613-OYT1T50148/