6/21(日) 8:13配信
毎日新聞
 
 東京都八王子市北野町の神社「天満社」の木の枝が境内からはみ出して周辺道路の安全を妨げているとして、同市と国土交通省関東地方整備局相武国道事務所は20日、はみ出した木の枝の伐採と撤去を始めた。行政代執行法に基づくもので、神社側は再三にわたる市などの撤去を求める指導に応じなかったという。【野倉恵】

 現場は、神社境内のけやきなどの枝葉が周辺道路に覆いかぶさるようにはみ出している。西側は国道16号に最長約9メートルかかり、信号機が見えにくい状態。南側も市道をまたぎ、一部は近くの児童館の敷地に達する。北側も市道にはみ出している。

 道路法では、木が交通に支障を及ぼす恐れがある場合、道路管理者は土地所有者らに枝の切除などの措置を命令できる。2017年ごろから住民らの苦情が相次ぎ、市と同事務所は同年6月から神社に、口頭や文書で計22回の指導をした。市によると、宮司は電話で「きちんと管理している」「ご神木だから切れない」などと主張したという。路上に落ちた枝葉は掃除したが、はみ出た木枝は対応しなかった。市と事務所は5月下旬に行政代執行に移る戒告書を、今月16日に代執行令書を神社側に出していた。

 代執行は午前8時半から市道の一部を通行止めにして行われた。市の担当者などが「代執行を行います」と宣言し、クレーン車と高所作業車計7台、市職員と作業員の約70人が作業をした。北側市道から始め、枝が電線に触れて感電しないよう気をつけながら伐採を進めた。

 現場に姿を見せた宮司は市や事務所に中止を求めた。宮司は報道機関の質問には「いいです」と見解を示さなかった。作業は21日完了予定。市と国は費用約1250万円を神社側に請求するという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f930483dae0f0c96856d4e415f37d3ac35fe5bf1