自民党の甘利明税制調査会長は時事通信のインタビューで、来年10月に衆院議員の任期満了を迎えることを踏まえ、その1年程度前となる今秋にも安倍晋三首相が衆院解散・総選挙に踏み切る可能性があるとの認識を示した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策として自民党内にも消費税減税を求める意見が出ていることに対しては、「あり得ない」と強く否定した。

 甘利氏は首相の「盟友」。解散のタイミングについて「秋にやった方がいいと言う人もいる。秋以降、経済対策と合わせて(解散)する可能性はゼロではない」と語った。

 「ポスト安倍」に関しては、「今、名前が挙がっているのは1に岸田、2に石破なのだろう」と指摘。有力候補として自民党の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の順に挙げた。また、「『我こそは』という人もたくさんいるようだ。3人くらい立候補するのがちょうどいい」と述べた。

 首相の党総裁連続4選については、「次の総裁選が乱立状況になれば4選論が出てくる」との見通しを示しつつ、「ご本人はやるつもりはない。その意向を尊重したいと個人的には思う」と強調した。

 消費税減税について、甘利氏は「財政に与えるマグニチュードは巨大だ。税率を(再び)上げるのに何十年もかかる」と述べ、財政運営の観点から反対論を展開。同時に「税率が5%になっても次の年にはそれが(国民にとり)当たり前になる。(消費行動に)何の効果があるのか」と述べ、経済対策としての有効性に疑問を呈した。「現金給付した方がインパクトはある」とも指摘した。

 インタビューは18日、衆院議員会館で行った。

2020年06月21日07時09分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062000311&;g=elc