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毎日新聞

高校生がペダル式の消毒スタンド作製 高齢者施設に贈る 千葉
足踏み式消毒スタンドを作製し、高齢者施設に寄贈した鈴木さん(左)と山本さん=鈴木さん提供
 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されていた5月、千葉県船橋市在住の高校生2人が臨時休校中に、手を触れずに足元のペダルで消毒用アルコールが噴霧できる「足踏み式消毒スタンド」を作製し、市内の高齢者施設に寄贈した。【加古ななみ】

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 作製したのは、県立京葉工業高2年の鈴木和真さん(16)と私立千葉英和高2年の山本祥真さん(同)。幼なじみの2人は、4月下旬にツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で、「商業施設などに置かれているアルコールはいろいろな人が触れているため、触りたくない」といった投稿を見つけた。

 鈴木さんは小学生の頃、壊れた自転車を直してあげた友人が喜んでくれたことをきっかけに、物作りやメンテナンスに興味を持ったことを思い出した。「自分が習った知識を役に立てたい」と、子どもからお年寄りまで誰でも使いやすいようなペダル式の消毒スタンドを作り始めた。ツイッター上には同様のものを作った投稿が話題になっており、その写真を見ながら山本さんと一緒に試行錯誤しながら取り組んだ。

 2人は臨時休校中で、学校からの多くの課題などに追われていたが、合間を縫って山本さんの家の駐車場などで地道に作業した。部品のほとんどは家にあった廃材を使ってコストを抑えた。

 初めは木材を使用したが、垂れたアルコールがシミになるなど使い勝手が悪かったため、金属製に変えた。また、しっかりと踏み込まなければ噴霧できないことなどから、高齢者でも楽に使えるようペダルを改良し、鈴木さんの祖母に試してもらいながら模索を続けた。普通科で学ぶ山本さんは「今までこのような大掛かりなものを作った経験が全く無くとても大変だった」と振り返る。

 消毒スタンドは山本さんの母親が勤める市内の有料老人ホーム「ベストライフ船橋薬園台」に寄贈した。実際に使った高齢者から喜びの声を聞き、鈴木さんは「ものをつくるだけでなく、現場の喜ぶ姿や声を聞くことができて良かった。これからも誰かの生活にちょっとした役立つことをしていきたい」と話した。

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